2019-06-10 国土地理院
全国の地殻変動概況
別紙1~7は、国土地理院が全国に展開している電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた2019年4月下旬から2019年5月下旬までの1か月間の地殻変動を表したものです。東日本の広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。また、5月10日に発生した日向灘の地震に伴う地殻変動が見られます。
火山周辺では、硫黄島において継続的な地殻変動が見られます。
- 別紙2 北海道地方 (PDF形式:146KB)
- 別紙3 東北地方 (PDF形式:163KB)
- 別紙4 関東・中部地方 (PDF形式:241KB)
- 別紙5 近畿・中国・四国地方 (PDF形式:505KB)
- 別紙6 九州地方 (PDF形式:349KB)
- 別紙7 沖縄地方 (PDF形式:122KB)
トピックス
- 5月10日に発生した日向灘の地震(M5.6;M6.3、最大震度5弱)に伴い、「佐土原(さどわら)」(宮崎県宮崎市)で南東方向に約1cm移動するなどの地殻変動が観測されました。(別紙8)
- 九州北部・四国西部では、それまでの傾向とは異なる地殻変動が検出されています。この変動は、日向灘北部及び豊後水道周辺のフィリピン海プレートと陸のプレートの境界深部における長期的ゆっくりすべり(スロースリップ現象)によるものと推定されます。(別紙9)
- 吾妻山周辺で見られていた膨張を示す地殻変動は、2019年4月頃にはやや鈍化しましたが、継続しています。(別紙10)
- 草津白根山周辺では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙11)
- 箱根山周辺では、GNSS観測によると、箱根山を挟む基線で2019年3月中旬頃から小さな伸びが見られます。また、だいち2号によるSAR干渉解析結果によると、ノイズレベルを超える変動は見られません。(別紙12)
- 硫黄島では、「硫黄島1」及び「M硫黄島A」では隆起、「硫黄島2」は南向きの変動が継続しています。(別紙13)
- 阿蘇山周辺では、2019年4月上旬から見られている阿蘇山を取り囲む基線のわずかな伸びは、4月下旬にやや鈍化しましたが、継続しています。(別紙14)
- 桜島周辺では、鹿児島(錦江)湾を挟む基線で「鹿児島福山」-「隼人」等でわずかな伸びが見られます。(別紙15)
- 口永良部島では、顕著な地殻変動は観測されていません。(別紙16)
補足説明
- 全国の1年間の地殻変動(2018年5月下旬から2019年5月下旬まで、別紙17)からは、以下のような傾向が見られます。
- 東北から関東・中部までの広い範囲で、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。
- 平成30年北海道胆振東部地震に伴う地殻変動が見られます。
- 硫黄島では、島内の地殻変動が見られます。
- その他の地方では、プレート運動による定常的な地殻変動が見られます。
別紙一覧
- 別紙8 日向灘の地震(5月10日 M5.6,M6.3)前後の観測データ (PDF形式:313KB)
- 別紙9 九州北部・四国西部での非定常的な地殻変動 (PDF形式:1.7MB)
- 別紙10 吾妻山周辺の地殻変動 (PDF形式:423KB)
- 別紙11 草津白根山周辺の地殻変動 (PDF形式:417KB)
- 別紙12 箱根山周辺の地殻変動 (PDF形式:909KB)
- 別紙13 硫黄島周辺の地殻変動 (PDF形式:888KB)
- 別紙14 阿蘇山周辺の地殻変動 (PDF形式:195KB)
- 別紙15 桜島周辺の地殻変動 (PDF形式:594KB)
- 別紙16 口永良部島周辺の地殻変動 (PDF形式:236KB)
- 別紙17 全国の地殻変動(水平)-1年間- (PDF形式:457KB)
問い合わせ先
国土交通省国土地理院 測地観測センター 地震調査官 黒石 裕樹 測地観測センター 地殻監視課長 真野 宏邦 地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室長 矢来 博司