2023-06-30(2023-8-28更新) 国土地理院
概要
2023年6月27日に噴火警戒レベルが3(入山規制)に引上げられた口永良部島について、だいち2号の観測データを使用し、解析を実施しました。
- 干渉SAR時系列解析結果では、 古岳の地点B周辺に5月以降、衛星に近づく変動が見られます(図1)。
- 干渉SAR時系列解析結果及び干渉解析結果を用いた2.5次元解析結果では、古岳山頂に約3cm※の隆起が見られます。古岳山頂を境とした西側に約3cm※の西向きの変動、東側に約1cm※の東向きの変動が見られます(※暫定値)(図2)。
解析結果【速報】
干渉SAR時系列解析結果
図1 2021年12月24日~2023年8月18日の観測データを用いた干渉SAR時系列解析結果(時系列解析とは)※詳細は添付資料をご覧下さい。
2.5次元解析結果(2023年7月12日発表)
図2 干渉SAR時系列解析結果(図1)から得られる2023年4月14日~2023年7月7日の変動量及び2022年10月21日~2023年6月30日の干渉解析結果※を用いた2.5次元解析結果(2.5次元解析とは)※詳細は添付資料をご覧下さい。
解析:国土地理院 原初データ所有:JAXA
※今回の結果は速報であり、より詳細な分析等により、今後内容が更新されることがあります。
※干渉SARの精度は一般的には数cm 程度とされています。また、衛星の観測条件が異なる場合、同じ地殻変動であっても、解析結果の見え方に違いが生じます。
※SARで用いられる電波は噴煙を透過するため、噴火中であっても火山の地形変化の状況を把握することができます。
※火口など急峻な地形では、斜面の傾斜と電波の入射角によって見かけの変動が生じる場合があります。
※本解析で使用したデータの一部は、火山噴火予知連絡会衛星解析グループの活動を通して得られたものです。
※対流圏遅延補正には、気象庁数値予報格子点データを使用しています。
〇参考資料
SAR 干渉解析の原理(PDF 形式:880KB)
非干渉(砂をまいたようなざらざらした模様)とは
衛星進行方向と電波照射方向による見え方の違い(PDF形式:100KB)
国土地理院の干渉SAR ホームページ
SAR 干渉画像の誤差
時系列解析とは
2.5次元解析とは
添付資料
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島の干渉SAR時系列解析結果(南行)(2023年8月21日発表) (PDF形式:464KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島のSAR干渉解析結果(2023年8月21日発表) (PDF形式:410KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島の干渉SAR時系列解析結果(南行)(2023年8月7日発表) (PDF形式:333KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島のSAR干渉解析結果(2023年8月7日発表) (PDF形式:476KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島のSAR干渉解析結果(2023年7月31日発表) (PDF形式:409KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島のSAR干渉解析結果(2023年7月24日発表) (PDF形式:224KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島の干渉SAR時系列解析結果(南行)(2023年7月21日発表) (PDF形式:365KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島のSAR干渉解析結果(2023年7月21日発表) (PDF形式:232KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島のSAR干渉解析結果(2023年7月14日発表) (PDF形式:290KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島のSAR干渉解析結果(2023年7月12日発表) (PDF形式:230KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島の2.5次元解析結果(2023年7月12日発表) (PDF形式:712KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島の干渉SAR時系列解析結果(南行)(2023年7月12日発表) (PDF形式:370KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島の地殻変動(2023年7月10日発表) (PDF形式:230KB)
資料 「だいち2号」観測データの干渉解析による口永良部島の地殻変動(2023年6月30日発表) (PDF形式:315KB)
問い合わせ先
宇宙測地課長 小門研亮
地殻変動研究室長 宗包浩志