海洋生物の接着メカニズムにヒントを得て超強力な水中接着剤を開発

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2022-04-13 東京大学,日本医療研究開発機構,科学技術振興機構

海洋生物の接着メカニズムにヒントを得て超強力な水中接着剤を開発

ポイント
  • 海洋生物からヒントを得たバイオミメティクスにより、接着強度10メガパスカルを超える水中接着剤の開発に成功しました。
  • スチレンユニットにフェノール性水酸基を4個および5個持つ高分子を、世界で初めて合成しました。
  • 本接着剤は湿潤環境下でも強い接着力を発揮するため、手術用接着剤などへの応用が期待されます。

一般的な接着剤は、水中で接着強度が大幅に低下してしまいます。この原因の1つは、被着体表面の水和水が接着剤と被着体間の相互作用を阻害するためです。東京大学 大学院工学系研究科の江島 広貴 准教授らのグループは海洋生物の接着機構にヒントを得て、水中でも接着強度10メガパスカルを超える、超高強度水中接着剤の開発に成功しました。本接着剤は湿潤環境下においても高い接着強度を発揮できるため、手術用接着剤などへの応用が期待されます。

本研究成果は、2022年4月13日(英国夏時間)に英国科学雑誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されます。

本研究は、克研究奨励賞、日本医療研究開発機構(AMED) 官民による若手研究者発掘支援事業 社会実装目的型の医療機器創出支援プロジェクト「水生生物の接着機構にヒントを得た生体組織接着剤の研究開発」、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業(さきがけ)「微生物の鉄代謝から着想を得た分解性結合の立案と動作検証(JPMJPR21N4)」、野口遵研究助成金、公益財団法人フジシール財団、文部科学省 科学技術人材育成費補助事業卓越研究員事業の支援を受けて実施されました。

詳しい資料は≫

<論文タイトル>
“Ultrastrong underwater adhesion on diverse substrates using non-canonical phenolic groups”
DOI:10.1038/s41467-022-29427-w
<お問い合わせ先>

<研究に関すること>
江島 広貴(エジマ ヒロタカ)
東京大学 大学院工学系研究科 マテリアル工学専攻 准教授

<AMED事業に関すること>
日本医療研究開発機構 医療機器・ヘルスケア事業部 医療機器研究開発課

<JST事業に関すること>
嶋林 ゆう子(シマバヤシ ユウコ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 グリーンイノベーショングループ

<報道担当>
東京大学 大学院工学系研究科 広報室
科学技術振興機構 広報課

0502有機化学製品
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