電荷をもたない奇妙な原子核の高精度探索~ラムダ-中性子-中性子の三体系~

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2022-03-08 京都大学

後神利志 理学研究科助教、鈴木一輝 同博士課程学生、中村哲 東北大学教授、板橋浩介 同博士課程学生、L. Tang ハンプトン大学教授、B. Pandey 同大学博士研究員らの研究グループは、米・ジェファーソン研究所(JLab)において、電荷を持たない純中性原子核であるラムダ-中性子-中性子(Λnn)の三体系の探索実験を施行し、その結果を公表しました。

Λnn原子核の束縛状態の存在がドイツの重イオン研究所(GSI)の研究グループにより示唆されました。しかし、その存在は最新の原子核物理の知見をもってしても再現できず、原子核物理の大きな謎の一つとして世界中で注目されています。2018年に、本研究グループはJLab実験ホールAにおいて、Λnn原子核の探索実験を施行しました。データ解析の結果、本実験では統計的に有意な信号は確認されませんでした。しかし、反応確率(反応断面積)の上限値を決定することに初めて成功しました。本実験結果はΛnn 原子核の存否に制約を与えるとともに、より感度を高めた次世代実験研究へ展開するための重要な基礎データとなります。

本成果は、2021年12月6日に、国際学術誌「Progress of Theoretical and Experimental Physics」にオンライン掲載されました。

電荷をもたない奇妙な原子核の高精度探索~ラムダ-中性子-中性子の三体系~
図:本研究の概要図

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研究者情報
研究者名:後神利志

1701物理及び化学
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