20026-06-11 東京科学大学
東京科学大学の研究チームは、Beyond 5G/6G時代の超高速・大容量通信を支えるため、57~71GHzの5Gミリ波(n263バンド)全帯域で高効率通信を実現するフェーズドアレイ無線機を開発した。従来は帯域端でアンテナ利得や通信効率が低下し、送信電力増加による消費電力の増大が課題だった。研究では、アンテナ内部の電流分布を制御して周波数ごとに有効開口を最適化する「開口調整アンテナ」を提案し、送受信回路と一体化することで小型化と低損失化を実現した。65nm CMOSプロセスで試作した無線機は、57~71GHz全帯域において2GHz帯域幅の64QAM信号で12Gbps通信を達成し、帯域端の57GHzおよび71GHzでは等価等方放射電力(EIRP)をそれぞれ62.2%、47.9%向上させた。さらに14GHz全帯域利用時には最大56Gbpsの超高速通信を実証した。本技術は6G無線インフラや高精細XR、無線バックホールなどの次世代通信基盤への応用が期待される。

図1. 5Gミリ波(n263バンド)とアプリケーションの例
<関連情報>
開口調整アンテナを備えた57~71 GHz帯CMOSフェーズドアレイ・トランシーバー:EIRP効率を47.9~62.2%向上
A 57–71-GHz CMOS Phased-Array Transceiver with Aperture-Tuning Antenna Achieving 47.9–62.2% EIRP Efficiency Improvement
Minghao Fan, Yilun Chen, Zheng Li, Ziyuan Ren, Minzhe Tang, Junqing Liu, Yuxuan Liu, Dongfan XU, Zezheng Liu, Yudai Yamazaki, Sena Kato, Kazuaki Kunihiro, Hiroyuki Sakai, Yuncheng Zhang, and Kenichi Okada
2026 IEEE/JSAP Symposium on VLSI Technology & Circuits
