IoT・AI技術を活用した火力発電所の運用高度化について ~設備の不具合・性能低下の早期検知を目的とした発電所のDX~

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2022-11-07 北海道電力株式会社,東芝エネルギーシステムズ株式会社

北海道電力株式会社(本店:北海道札幌市、代表取締役社長執行役員:藤井裕、以下、北海道電力)および東芝エネルギーシステムズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:四柳端、以下、東芝ESS)は、IoT・AI技術を活用した設備の不具合・性能低下の早期検知を目的とする火力発電所の運用高度化の取り組みを開始しました。この取り組みは、北海道電力の火力発電所である石狩湾新港発電所1号機(定格出力:56.94万kW、使用燃料:LNG)および苫東厚真発電所4号機(定格出力:70万kW、使用燃料:石炭)を対象としたものです。

本取り組みは、東芝ESSのプラント監視ソフトウェア「EtaPRO™※1(エタプロ)」を活用しており、発電所の各設備に設置されているセンサーから得られる運転データをもとに、IoT・AI技術により算出された本来あるべき運転状態(期待値)と現在の運転状態(実測値)を比較することで、主要設備の不具合や性能低下の兆候を検知するものです。
従来、設備の不具合や性能低下の検知は、あらかじめ設定したしきい値に基づくアラート判定や約2年に1回実施する性能試験等により行っていましたが、当システムにより微細な運転状態の変化をリアルタイムにとらえることができるようになるため、これまでよりも早い段階で検知が可能となり、発電支障の未然防止・効率的な運転に寄与します。

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不具合の兆候監視機能

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性能監視機能

本取り組みの開始に向けて、2020年10月から両社共同で検証を行い、北海道電力が火力発電所の運転データの提供、東芝ESSがシステムの構築を担いました。
また、EtaPRO™を石狩湾新港発電所1号機および苫東厚真発電所4号機に導入するにあたっては、東芝ESSのクラウド上にシステムを組み込むことで、システムの運用管理とメンテナンスの効率化を実現しており、これは国内の発電所において初めての適用事例となります。
なお、クラウドを活用したシステム運用管理にあたり北海道電力と東芝ESSは、定額・長期サービス契約を締結しています。

北海道電力は、道内企業で初めて経済産業省が定めるDX(デジタルトランスフォーメーション)認定制度に基づく「DX認定※2」を2022年2月に取得しており、本取り組みもDX推進のひとつと位置付けています。これまで取り組んできたローカル5G・自走式点検ロボット・HMD(ヘッドマウントディスプレイ)による業務効率化※3、AIによるボイラーの最適運転※4等、様々なデジタル技術を組み合わせることで発電所の運用高度化を進め、更なる安定運転に繋げていきます。
また、これら発電所のDXの取り組みにより獲得した知見を活用し、他の事業者さまへのコンサルティング等を通じて、地域のDX推進に貢献していきます。

東芝ESSは、これまでに培ってきたエネルギー分野における製造およびメンテナンスの技術と、CPS※5テクノロジーとを融合させ、「EtaPRO™」をはじめとするエネルギーIoTサービス「TOSHIBA SPINEX for Energy※6」を積極的に展開し、発電所などの効率的な運営に貢献していきます。

※1 EtaPRO™
発電事業者向けプラント監視ソフト。30年以上にわたって火力・水力・風力・太陽光などの発電事業者など60カ国、約700GW分の発電所に導入実績がある。東芝ESSが2021年10月に本ソフトウェアに関する事業部門を米国のジーピー・ストラテジーズ・コーポレーション(GP Strategies Corporation)より買収している。
・   発電事業者向けプラント監視ソフトウェア「EtaPRO™」事業の買収完了について(2021年10月5日公表)

※2 DX認定
「デジタルによって自らのビジネスを変革する準備ができている状態(DX-Ready)」であることが確認できた企業を、国が認定するもの。
・   道内初!経済産業省「DX認定」の取得について(2022年2月10日公表)

※3 ローカル5G・自走式点検ロボット・HMD(ヘッドマウントディスプレイ)による業務効率化
<ローカル5G>
超高速・大容量・超低遅延・多数同時接続を特徴とする5G(第5世代移動通信方式)を、企業や自治体が自営用として特定の敷地や施設内に限定して構築するもの。

<自走式点検ロボット>
あらかじめ設定したルートを自動で走行し、ルート上の設備を自動で点検するロボット。カメラや各種センサー(温度、振動、音響、漏洩等を検知)などを装備しており、現場の様々な情報を中央操作室等へ伝送する。

<HMD(ヘッドマウントディスプレイ)>
頭に装着する表示装置の総称。ゴーグル型、ヘルメット型、眼鏡型などがある。カメラやセンサー、ディスプレイが付属しており、様々なデジタルコンテンツを表示したり、操作することができる。
・   道内初、ローカル5Gを活用した実地検証を開始(2021年11月1日公表)
・   国内初、火力発電所におけるMixed Realityを活用した巡視点検アプリケーションの使用開始について(2022年7月26日公表)

※4 AIによるボイラーの最適運転
AIを活用し、日々変化するボイラーの燃焼状態を、逐次、最適な状態に調整するもの。

・   北海道電力 苫東厚真発電所4号機 AIを活用したボイラー燃焼調整最適化支援システムの開発・導入について(2022年9月14日公表)

※5 CPS(Cyber Physical Systems)
現実に存在するプラント設備(フィジカル)のデータを収集し、コンピュータ等による仮想空間上でデジタル技術などを用いて分析したり、活用しやすい情報や知識とし、それをフィジカル側にフィードバックすることで、付加価値を創造する仕組み。

※6 TOSHIBA SPINEX for Energy
東芝ESSで開発しているエネルギーIoTサービス。2019年、東芝グループ「TOSHIBA SPINEX」のサービスとして、社会インフラ・エネルギー・製造・物流の4分野24種類のうち、エネルギーを中心としたサービス12種類を構築。「東芝IoTリファレンスアーキテクチャー」に準拠したサービスを展開中。
・   TOSHIBA SPINEX for Energy – TOSHIBA SPINEX Marketplace(日本) (spinex-marketplace.toshiba)

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