ジアステレオ収束的な(3+2)環化付加型反応の開発 ~鍵と鍵穴から誘導適合へ~

ad
ad

7.ビルディングブロック
医薬や農薬の多くは複雑な構造の化合物である。これらは、レゴやプラモデルのようにいくつかの部品から組み立てられることが多いため、この部品に相当する化学変換しやすい小分子をビルディングブロックと呼ぶ。

8.誘導適合
酵素と基質などの二つの分子が複合体を形成する際、それらのコンフォメーションが変化すること。

9.触媒的不斉反応
少量のキラル分子を触媒として用いることで、大量のキラル分子を合成する反応の総称。

10.遷移状態
反応が進行する際に最もエネルギーが高い状態のこと。遷移状態は、寿命が極めて短いため実験的には観測できない。計算化学により、その構造を可視化できる。

11.複素環化合物
環の中に少なくとも2種類の異なる元素を含む環式化合物の総称。医薬や農薬の多くに含まれる。

12.D体、L体
DL表記法は、アミノ酸や糖の右手と左手の関係の分子(鏡像異性体、エナンチオマー)を区別するために用いられる。

13.分子触媒
触媒機能を持つ低分子の総称。一般に金属錯体触媒と非金属(有機)触媒とに分類される。

14.幾何異性体

異性体の一つ。二重結合を持つ化合物では、二つの置換基(R1とR2)が逆の方向に配置された異性体がtrans体であり、二つの置換基(R1とR2)が同じ方向に配置された異性体はcis体である。α-ケトエステルエノラートやニトロンについては、E/Zで表記する場合が多い(補足説明[3]および[4]参照)。Eはドイツ語のentgegen(逆に)、Zはzusammen(いっしょに)に由来する。

幾何異性体の画像

15.ジアステレオマー
異性体の一つ。立体異性体のうち、鏡像異性体(エナンチオマー)でないものの総称。補足説明[5]参照では、鏡像異性体の対を右と左に示している。

16.密度汎関数計算
原子や分子などの物性を明らかにする量子化学計算手法の一つ。基底状態と遷移状態のエネルギー差が活性化エネルギーであり、これが最も小さな経路で反応は進行すると考えられる。

17.NBO(Natural bond orbital: 自然結合軌道)解析
自然結合軌道とは、電子密度が最大となるように計算された結合性軌道である。電子のドナー・アクセプター相互作用により得られる安定化エネルギーを定量できる。

18.持続可能な開発目標(SDGs)
2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標。持続可能な世界を実現するための17のゴール、169のターゲットから構成され、発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいる。(外務省ホームページから一部改変して転載)

研究グループ

理化学研究所
環境資源科学研究センター
触媒・融合研究グループ
特別研究員(研究当時) 江澤 哲也(えざわ てつや)
専任研究員 五月女 宜裕(そうとめ よしひろ)
(開拓研究本部 袖岡有機合成化学研究室 専任研究員)
グループディレクター 袖岡 幹子(そでおか みきこ)
(開拓研究本部 袖岡有機合成化学研究室 主任研究員)
分子構造解析ユニット
ユニットリーダー 越野 広雪(こしの ひろゆき)
(開拓研究本部 袖岡有機合成化学研究室 副主任研究員)
創発物性科学研究センター 物質評価支援チーム
チームリーダー 橋爪 大輔(はしづめ だいすけ)
開拓研究本部 袖岡有機合成化学研究室
研修生(研究当時) 足立 雅弥(あだち まさや)
テクニカルスタッフⅠ 赤壁 麻依(あかかべ まい)

研究支援

本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金新学術領域研究(研究領域提案型)「金属中心キラリティー内包型錯体が構築する多点不斉反応場の理解と制御(研究代表者:五月女宜裕)」、同挑戦的研究(萌芽)「触媒反応を駆使した生物活性シード創出への挑戦 (研究代表者:五月女宜裕)」、同基盤研究(B)「有機合成化学が切り拓くケミカルメチロームの新展開(研究代表者:五月女宜裕)」による支援を受けて行われました。

原論文情報

Tetsuya Ezawa, Yoshihiro Sohtome, Daisuke Hashizume, Masaya Adachi, Mai Akakabe, Hiroyuki Koshino, Mikiko Sodeoka, “Dynamics in Catalytic Asymmetric Diastereoconvergent (3 + 2) Cycloadditions with Isomerizable Nitrones and α-Keto Ester Enolates”, Journal of the American Chemical Society, 10.1021/jacs.1c02833

発表者

理化学研究所
環境資源科学研究センター 触媒・融合研究グループ
特別研究員(研究当時) 江澤 哲也(えざわてつや)
専任研究員 五月女 宜裕(そうとめ よしひろ)
(開拓研究本部 袖岡有機合成化学研究室 専任研究員)
グループディレクター 袖岡 幹子(そでおか みきこ)
(開拓研究本部 袖岡有機合成化学研究室 主任研究員)

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当

コメント

タイトルとURLをコピーしました