PM2.5濃度上昇が心停止の発生に影響することを解明

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日本全国規模の人を対象とした疫学研究の成果

2020-05-11 京都大学

上田佳代 工学研究科准教授は、川崎医科大学、東邦大学、国立環境研究所、日本循環器学会蘇生科学検討会らと共同で、総務省消防庁の救急蘇生統計に係るデータを利用して、PM2.5の日単位の濃度変動が病院外での心臓を原因とする心停止(院外心原性心停止)の発生に影響することを明らかにしました。

本研究では、研究期間中に市民目撃があった院外心原性心停止として登録された103,189例を用いました。そして、院外心原性心停止発生の前日から当日にかけてのPM2.5について、院外心原性心停止の発生との関連性を分析したところ、PM2.5濃度が10μg/m3上昇すると院外心原性心停止が1.6%(95%信頼区間0.1~3.1%)増えるという結果でした。この関連性は、その他の大気汚染物質(光化学オキシダント、二酸化窒素、二酸化硫黄)の影響を統計モデル上で取り除いても変わりませんでした。また特に75歳以上、男性、そして電気ショックが有効ではない心臓リズムと統計学的有意に関連していました。

本研究は、国際的には合意が得られてきているPM2.5の心臓への影響が、日本でも確認されることを示した初めての報告です。日本におけるPM2.5の健康影響に関わる知見は欧米諸国と比較して少ない状況にあるため、今後も知見を集積していく必要があると考えられます。

本研究成果は、2020年4月18日に、国際学術誌「JAMA Network Open」のオンライン版に掲載されました。

図:PM2.5と院外心原性停止との関連性に関する結果のまとめ

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