「命の選択」、先端医療とどう向き合う ~多様な価値観を認める寛容さが大切~

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2020-02-13  科学技術振興機構

 

科学技術の進歩を受け、再生医療やゲノム医療、さらに出生前診断などの先端医療が現実のものになりつつある。救えなかった命が救えるようになる一方で、生かすべきか否か「命の選択」を迫られる場面が増えている。私たちは先端医療とどう向き合うべきか。科学史家で、長年、科学技術の社会への影響を見続けてきた、東京大学、国際基督教大学名誉教授の村上陽一郎さんは、多様な価値観を受け入れる寛容さが大切だと語る。

感染症が減少した長寿社会、医療は「見守る」時代に

日本ではここ半世紀余りで寿命が飛躍的に延び、今や日本は世界トップクラスの長寿国になっている。村上さんはその要因を次のように指摘する。

「長寿はいろんな要素が絡んで実現したと思いますが、医療という点では、乳幼児死亡率の減少が挙げられるでしょう。日本の乳幼児死亡率の低さは世界で一・二を競っています。それには母子手帳の普及なども貢献しています。また、上下水道などの社会インフラの整備が進んだことも長寿の大きな要因だと考えられます。実際、私の家では戦前から深い井戸を掘って、飲料水を井戸水に頼っていたのですが、定期的に大人も子どももおなかをこわしていました。ところが、上下水道が完備されると、まったくと言っていいほどおなかをこわさなくなりました」

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