2020-01-20 海上保安庁
1.噴火の状況
1月17日午後1時35分から午後2時12分の間、第三管区海上保安本部羽田航空基地所属航空機により、西之島の火山活動の観測を実施しました。
詳細は以下のとおりです。
【調査結果】
・噴火 火砕丘の中央火口から連続的な噴火が認められる。
・噴煙 連続的な灰色の噴煙が高度約1,800mまで上がっている。
・噴石 噴石が火砕丘周辺まで飛散している。
・溶 岩 西之島北東岸から溶岩流が海へ流入しており、溶岩流の先端から白色の水蒸気が認められる。
2.東京工業大学理学院火山流体研究センター 野上健治教授のコメント
「中央火口の山頂部から爆発を繰り返し、連続的に有色噴煙を放出していた。噴煙は5000ft~6000ft(1500m~1800m)まで上がり、その後は風で東~北東に流れている。山頂部の東もしくは北東側に火口が開き、溶岩は北東方向に流下している。先端は海に達しており、水蒸気を上げている。
連続的な有色噴煙は新たなマグマが中央火口の浅部まで常に上昇し、破砕されていることを示している。昨年12月15日の観測と比較して活動は一段と活発化している。有色の噴煙が間欠的になった場合には、大きな爆発的噴火が発生する可能性がある。」
3.航行警報
海上保安庁は、噴火による影響が及ぶおそれがあるため、半径1.4海里以内の周辺海域警戒の航行警報により、付近航行船舶に注意を呼びかけています。
図1 調査結果の概略図(基図:海図W1356「西之島」令和元年5月刊行)
図2 西之島の全景。噴煙が高度約1,800mまで上がっている。
(1月17日撮影)
図3 西之島北東岸から溶岩流が海へ流入している。(1月17日撮影)
図4 中央火口の噴火(1月17日撮影、熱赤外線画像)
図5 溶岩の流下の状況(1月17日、熱赤外線画像)
図6 西之島の位置
出典:海洋状況表示システム
Webアドレス:https://www.msil.go.jp/msil/htm/main.html