フローにまかせて:再生可能エネルギー電力系統のためのより優れた蓄電池設計

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(Go With the Flow: Scientists Design Better Batteries for a Renewable Energy Grid)

2019/11/7 アメリカ合衆国アメリカ合衆国・ロ ーレンスバークレー国 立研究所 (LBNL)

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・ LBNL、マサチューセッツ工科大学(MIT)およびイタリア・Instituto Italiano di Tecnologia が、電力系統 用の大規模蓄電池として期待されているレドックス・フロー電池の膜技術を開発。
・ AquaPIMs(aqueous-compatible polymers of intrinsic microporosity)として知られる種類のポリマー 製の同電池膜は、多用途ながら安価。このポリマーにより、亜鉛、鉄、水等の材料ベースの長寿命で 低コストな電力系統蓄電池開発が可能に。
・ さらに、各電池膜が電池寿命に与える影響を示すシンプルなモデルも開発。特に各電池化学に適 した電池膜の研究において、フロー電池技術の初期段階の R&D を加速する効果が見込める。
・ 同電池膜技術と同モデルを利用することで、電池膜や電荷貯蔵材料の実用性を迅速に評価できる ため、研究活動や商品開発にかかる時間とコストを節約できる。 ・ 電力系統用蓄電池の多くでは、高アルカリ性(塩基性)の電極を使用。しかし、現在最高性能の電 池膜は燃料電池のフッ素系膜のような酸性化学用で、アルカリ性のフロー電池には不適合。また、フ ッ素系膜は高価で電池コストの 15%~20%を占め、$300/kW にもなる。
・ アミドキシム(amidoxime)と呼ばれる化学物質で修飾した電池膜では、負極と正極間のイオン移動 速度の高速化を確認。その後、AquaPIM 膜の性能および様々な電力系統用電池化学(例:負極に亜 鉛、正極に鉄化合物)を評価した際、AuqaPIM 電池膜が極めて安定したアルカリ性電池となることを発 見。
・ また、AquaPIM 電池膜により、正負両極の電荷貯蔵材料の構造が保持されることを発見。LBNL の 放射光施設、Advanced Light Source(ALS)で同電池膜を調査したところ、AquaPIM 電池膜のバリアン トで同様な特徴が確認できた。
・ 次に、水系アルカリ電解質での AquaPIM 電池膜性能試験では、アルカリ性の条件下で高分子結合 したアミドキシムが安定することを確認。通常、アルカリのような高 pH 値では有機材料は安定しない。
・ このような安定性により、AquaPIM 電池膜孔の崩壊が回避され、経時的な性能損失無く導電性を維 持。商用のフッ素系ポリマー膜では、予想通り崩壊してイオン輸送特性を損失した。 ・ 今後は、金属、無機物質、有機物質やポリマー等の多様な水系フロー電池化学に AquaPIM 電池膜 を適用する予定。正極に酸素、酸化マンガンや金属有機構造体(MOF)を使用する電池をはじめ、他の 水系アルカリ亜鉛電池との適合性を確認する。
・ 本研究は、米国エネルギー省(DOE)の資金提供による Energy Innovation Hub の Joint Center for Energy Storage Research(JCESR)が支援した。また、DOE エネルギーフロンティア研究センターの Center for Gas Separations Relevant to Clean Energy Technologies が追加的資金を提供した。
URL: https://newscenter.lbl.gov/2019/11/07/grid-battery-for-renewable-energy/

(関連情報)
Joule 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Design Rules for Membranes from Polymers of Intrinsic Microporosity for Crossover-free Aqueous Electrochemical Devices
URL: https://www.cell.com/joule/fulltext/S2542-4351(19)30428- 3?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS25424351193042 83%3Fshowall%3Dtrue

<NEDO海外技術情報より>

Summary

Here, we lay the design rules for linking microporous polymer membrane architecture and pore chemistry to membrane stability, conductivity, and transport selectivity in aqueous electrolytes over a broad range of pH. We tie these attributes to prospects for crossover-free electrochemical cell operation. These guiding principles are applied to two emerging cell chemistries for grid batteries: specifically, Zn–TEMPO-4-sulfate and Zn–K4Fe(CN)6 cells. Key to our success is the placement of ionizable amidoxime functionalities, which are stable at high pH, within the pores of microporous ladder polymer membranes, yielding a family of charge-neutral and cation exchange membranes at low and high pH, respectively—which we call AquaPIMs. Their notably high conductivity (up to 21.5 mS cm−1 in 5.0 M aqueous KOH) and high transport selectivity (up to 104 reduction in active-material permeability through the membrane) suggest exciting opportunities for battery development, even beyond those presently demonstrated.