NREL と First Solar 社の共同研究で薄膜太陽電池性能が向上


 (NREL, First Solar Collaboration Improves Thin-Film Solar Cells)

2019/8/19 アメリカ合衆国 国立再生可能エネルギー研究所(NREL)

NREL と First Solar 社の共同研究で薄膜太陽電池性能が向上

・ NREL と First Solar 社は共同で、テルル化カドミウム(CdTe)太陽電池の新しい製造法を開発。30 年の時を経て開発された同技術により、電気料金をさらに低減する道が拓けた。
・ CdTe 太陽電池は、機能性を保つために、従来から銅と塩素を添加して作製されてきた。しかし、性能向上に必要な銅の添加量が最大となり、使用期間の長期化と共に銅は太陽電池内で移動し、効率性が変化して電池の寿命は短縮した。
・ NREL と First Solar 社は、電池から銅を除去して、量産に適した安価な手法で第 5 周期元素のアンチモン等を、テルル化結晶サイトの上に超高速でドーピングさせることに成功。
・ 新技術による新しい太陽電池のセル変換効率は 20.8%。実証では、劣化するまでの時間が長くなり、さらなる変換効率の向上も見込まれる。
・ NREL がワシントン州立大学と共同で 2016 年に発表した単結晶の基礎研究では、第 5 周期元素を使用した CdTe 太陽電池で、記録的な電圧の発電を実証済み。銅の交換により、動作寿命と密度が数十倍も向上したので、NREL は銅よりも第 5 周期元素を用いた電池のほうがより安定すると結論付けた。
・ しかし、単結晶は高額で、作製に時間がかかる。次なる課題は、この基礎研究を産業化するための材料と手法を開発することにあった。
・ 当初の試みは、高温蒸気を用いて、第 5 周期元素を CdTe 内に拡散させようというものだった。しかし、温度が低すぎると、元素がセル内に十分に拡散せず、また、高温すぎるとパネルガラスが溶けてしまう、という現実的な課題に直面。
・ そこで、第 5 周期元素をセルが成長する過程で添加すると(in-situ)、成功した。この手法では、材料特性が効率化して長期的な使用による劣化を防ぎ、ソーラーパネルの寿命を飛躍的に向上させた。
・ 本研究は、米エネルギー省の Solar Energy Technologies と、First Solar より資金を得た。

Nature Energy 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Exceeding 20% efficiency with in situ group V doping in polycrystalline CdTe solar cells



CdTe-based solar technology has achieved one of the lowest levelized costs of electricity among all energy sources as well as state-of-the-art field stability. Yet, there is still ample headroom to improve. For decades, mainstream technology has combined fast CdTe deposition with a CdCl2 anneal and Cu doping. The resulting defect chemistry is strongly compensated and limits the useful hole density to ~1014 cm−3, creating a ceiling for fill factor, photovoltage and efficiency. In addition, Cu easily changes energy states and diffuses spatially, creating a risk of instabilities that must be managed with care. Here, we demonstrate a significant shift by doping polycrystalline CdSexTe1 − x and CdTe films with As while removing Cu entirely from the solar cell. The absorber majority-carrier density is increased by orders of magnitude to 1016–1017 cm−3 without compromising the lifetime, and is coupled with a high photocurrent greater than 30 mA cm−2. We demonstrate pathways for fast dopant incorporation in polycrystalline thin films, improved stability and 20.8% solar cell efficiency.