植物からのプラスチック生成には遺伝子組換え微生物が鍵に

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2019/3/6 アメリカ合衆国・ウィスコンシン大学マディソン校

(Engineered microbe may be key to producing plastic from plants)

Photo: Microscopic image of bacteria

Graphical abstract: Funneling aromatic products of chemically depolymerized lignin into 2-pyrone-4-6-dicarboxylic acid with Novosphingobium aromaticivorans

・ ウィスコンシン大学マディソン校が、遺伝子操作した微生物により、生分解性ポリマーの原料となる PDC(2-ピロン-4,6-ジカルボン酸)をリグニンから直接獲得する技術を開発。

・ リグニンは化学物質やプラスチックの製造に使用できる芳香族化合物を石油に次いで豊富に含む資源だが、複雑で大きなリグニンの分子を有用な構成物質に効率的に分解することは困難とされている。

・ 石油製品による汚染後の芳香族化合物を豊富に含む土壌から初めて分離された微生物であるノブスフィンゴビウム・アロマチシボラン (Novosphingobium aromaticivorans)は、リグニンのほぼすべての成分をより小さな芳香族炭化水素に分解する能力を有する。

・ PDC は従来この分解プロセスにおいて代謝中間体として得られるが、同微生物の遺伝子を 3 個除去することで、リグニンから PDC を直接獲得できるようにした。

・ 日本では、PDC はプラスチックボトルや合成繊維等の PET ポリマーの添加剤として石油ベースのものと同等かより優れているとされ、既に様々な製品で使用されている。

・ PDC は既存の技術において獲得が困難だが、主に焼却処理されているリグニンを高効率・高収率に PDC に転換できれば、リグニンの産業利用の市場を変革し、新たな産業の創造にもつながると考える。

・ 遺伝子操作した同微生物は、現時点でリグニン中の有用な化合物の最低でも 59%を PDC に転換できるが、同研究結果がさらなる可能性を示唆していることから同微生物の遺伝子操作を進展させる。

・ 同技術について特許出願中。本研究には米国エネルギー省(DOE)および Chilean National Commission for Scientific and Technological Research が資金を提供した。

URL: https://news.wisc.edu/engineered-microbe-may-be-key-to-producing-plastic-from-plants/

(関連情報)

Green Chemistry 掲載論文(フルテキスト)

Funneling aromatic products of chemically depolymerized lignin into 2-pyrone-4-6-dicarboxylic acid with Novosphingobium aromaticivorans

URL: http://dx.doi.org/10.1039/C8GC03504K

<NEDO海外技術情報より>

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