2019-09-07 水産庁
令和元年9月3日(火曜日)から6日(金曜日)まで、ポートランド(米国)において「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第15回北小委員会」が開催され、太平洋クロマグロ等の資源管理措置に関する議論等が行われました。
1.中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)北小委員会とは
「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC*)」は、中西部太平洋における高度回遊性魚類(マグロ、カツオ、カジキ類)資源の長期的な保存及び持続可能な利用を目的とした地域漁業管理機関です。
「北小委員会」は、主に北緯20度以北の水域に分布する資源(太平洋クロマグロ、北太平洋ビンナガ、北太平洋メカジキ)の資源管理措置について本委員会に勧告を行うWCPFCの下部組織です。
*WCPFC:Western and Central Pacific Fisheries Commission
2.開催日程及び場所
日程:令和元年9月3日(火曜日)~6日(金曜日)
場所:ポートランド(米国)
3.参加国・地域
日本、韓国、米国、カナダ、クック諸島、台湾(計6カ国・地域)
4.我が国出席者
太田 愼吾(おおた しんご) 水産庁資源管理部審議官(我が国代表)、宮原 正典(みやはら まさのり) 農林水産省顧問(北小委員会議長)ほか、水産庁、外務省、経済産業省、国立研究開発法人 水産研究・教育機構及び業界関係者
5.結果概要
(1)太平洋クロマグロ
会合期間中に開催された全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)との合同作業部会において、以下を議論しました。
1.現行措置のレビュー
増枠について一部慎重な国があったため、全体数量の増枠には至りませんでしたが、2020年の措置として以下の2点が合意されました(※1)。
(ア)漁獲上限の未利用分に係る繰越率を、現状の5%から17%へ増加。
(イ)大型魚の漁獲上限を、台湾から日本へ300トン移譲。
(※1) 2021年以降の措置については来年検討
2.漁獲証明制度の検討
漁獲から輸出入に至る主要な段階において、漁獲物の動きを記載した書類を政府等が認証する制度について、引き続き、議論を継続していくこととなりました。
3.長期管理方策の検討
暫定管理目標達成後の更なる管理目標や漁獲管理ルールについて、引き続き、議論を継続していくこととなりました。
(2)その他
今回の「北小委員会」の参加国は6カ国で定足数(8カ国)に達しなかったため、年次会合期間中に北小委員会を開催し、合意事項の正式採択を行うこととなりました。
(3)次回(令和2年(2020年))の北小委員会の開催地
日本で開催されることとなりました。
6.その他
令和元年8月30日付けプレスリリース「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第15回北小委員会」の開催について
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/190830.html
お問合せ先
資源管理部国際課 担当者:三輪、山田、青木
「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」の概要
1.組織概要
WCPFCは、中西部太平洋におけるマグロ類の効果的な管理を通じて、中西部太平洋における高度回遊性魚類(カツオ、マグロ、カジキ類)資源の長期的な保存及び持続的な利用を確保することを目的として設立された地域漁業管理機関である。
委員会の下部組織に科学専門委員会、技術遵守専門委員会及び北小委員会がある。北小委員会は、主に北緯20度以北の水域に分布する資源(太平洋クロマグロ、北太平洋ビンナガ、北太平洋メカジキ)の資源管理措置について本委員会に勧告を行う。
2.設立条約
西部及び中部太平洋における高度回遊性魚類資源の保存及び管理に関する条約
* 条約発効:2004年6月19日
* 日本加入:2005年7月08日
3.委員会メンバー
サモア、フィジー、マーシャル、パプアニューギニア、ミクロネシア、キリバス、ソロモン、ナウル、豪州、クック諸島、トンガ、ニウエ、ニュージーランド、ツバル、韓国、中国、台湾、EU、フィリピン、フランス、日本、バヌアツ、カナダ、パラオ、米国、インドネシア(計24カ国+EU、台湾)
*事務局所在地:ポンペイ(ミクロネシア)
*下線が北小委員会メンバー:条約区域の北緯20度以北に位置する、あるいは当該区域で
漁獲を行っている委員会メンバー
4.条約区域
北半球は西経150度以西の太平洋水域(我が国周辺水域を含む。)
南半球は西経130度以西、東経141度以東、南緯60度以北の太平洋水域
5.対象魚種
カツオ・マグロ類など高度回遊性魚種(クロマグロ、メバチ、カツオ、キハダ、ビンナガ、カジキ類、海洋性サメ等