JICAが出資する信託基金“LEAP”を通じた支援
2019-05-08
4月25日、JICAが出資する『アジアインフラパートナーシップ信託基金 (“Leading Asia’s Private Infrastructure Fund”:LEAP)』を活用し、アジア開発銀行(ADB)がインドネシア最大のコンバインドサイクル・ガスタービン(CCGT)発電所を建設するジャワ1プロジェクトに対する総額3億500万ドル超の民間セクター融資案件の初回貸出を実行しました。
同事業は、西ジャワ州カラワン県チラマヤにおける1,760メガワットのCCGT発電所と、それに付随するインフラ建設で構成されています。ADBの融資には、直接融資1億8,500万ドルと、LEAPによる融資1億2,000万ドルが含まれています。
ジャワ1プロジェクトは、インドネシアで液化天然ガス(LNG)を使用する最大かつ初のプロジェクトの一つであり、石炭やディーゼル燃料への依存を減らし、天然ガスなど、よりクリーンな国内エネルギー資源を活用する同国政府の取り組みを示しています。本事業により、同国の二酸化炭素排出量は177万トン削減されます。また、本プロジェクトによる電力は、インドネシア国営電力公社(PLN)に売電されます。
LEAPは2015年11月21日に日本政府より発表された「質の高いインフラパートナーシップ」のフォローアップ施策において言及され、アジア及び大洋州地域の質の高い民間セクターのインフラ案件を対象とし、民間セクターが様々な形態(官民連携パートナーシップ(PPP)、コンセッション、法人等)を通じて実施するインフラ事業に対して、出融資による支援を行うものです。
JICAは2016年3月にLEAPに対して15億ドルの海外投融資による出資を承諾しました。業務開始以降、これまで累計5億ドルの出融資承諾を行い、インドやインドネシアでの保健事業やモンゴルやタイでの再生可能エネルギー事業等、幅広い分野で質の高いインフラ事業への支援を行っています。LEAPは現時点で11案件に対する出融資を行い、ADBの自己勘定及び他の協調出融資パートナーから累計37億ドルの資金動員をしています。LEAPはアジア太平洋のADB加盟国における質の高い、持続可能な民間セクターによる幅広いインフラ事業を支援しており、支援対象分野は温暖化ガス削減、省エネルギー、良心的な価格での医療サービス等多岐にわたります。
JICAは今後も各国・国際機関と協働し、「質の高いインフラ投資」を推進し、「持続可能な開発目標(SDGs)」も踏まえた開発途上国・地域の経済社会開発に貢献していきます。