発言録の作成やコンタクトセンターのオペレーター業務を大幅に効率化
2019-05-13 富士通株式会社
当社は、このたび、AIを活用してお客様の業務のデジタル革新を支援するソリューション2種を開発し、「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」(以下、「Zinrai」)の製品として、2019年5月末より販売開始します。
「FUJITSU AI Zinrai TalkVisible(トークビジブル、以下、Zinrai TalkVisible)」は、会議や議会における発言録の作成を支援するソリューションです。AIが会議資料から固有名詞や専門用語を自動で抽出・登録し、ボイスレコーダーなどで録音したデータから発言内容の正確なテキスト変換を実現します。さらに、ディープラーニングで発話者も識別した発言録が自動作成され、その内容を専用のエディタで確認して修正できるなど、効率的に精度の高い発言録に仕上げることが可能となります。
「FUJITSU AI Zinrai Contact Center Knowledge Assistant(コンタクトセンターナレッジアシスタント、以下、Zinrai CKA)」は、コンタクトセンターの電話応対を支援するソリューションです。音声認識技術で、お客様との会話をシステム画面にリアルタイムにテキスト表示し、オペレーターが検索したいテキストを選択すると、自然言語処理技術により、蓄積されたナレッジやFAQデータから適切な回答を抽出することができます。また、関連語自動抽出技術により、異なる言い回しや関連し得る問い合わせを含む検索結果も同時に表示され、オペレーターのスムーズかつ的確な検索を支援し、お客様一人当たりの応対時間の短縮と品質向上に貢献します。
当社は、今後もAI技術「Zinrai」を強化していくとともに、業務に活用可能な新たなソリューションを提供することで、お客様のビジネス変革を実現していきます。
なお、本ソリューション2種は、5月17日(金曜日)に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催する「富士通フォーラム2019」に出展します。
背景
当社は2015年に「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」として、AIの関連技術・製品・サービス群を体系化し、2017年からお客様のニーズに応じたディープラーニング基盤のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service for OSS Zinraiプラットフォームサービス」やディープラーニング専用のサーバとストレージ、ソフトウェアで構成されたオンプレミスシステム「FUJITSU AIソリューション Zinraiディープラーニングシステム」、そしてそれらを業務活用するための導入支援や運用などのサービスを提供しています。
今回、AIを早く簡単に業務へ取り入れ改善を進めたいというお客様のニーズを受け、共通する課題や活用シーンを整理して2種のソリューションを開発し、「Zinrai」の製品として販売開始します。
製品の特長
- ディープラーニングで録音データから発話者を識別し、効率的な発言録の作成を支援する「FUJITSU AI Zinrai TalkVisible」昨今、コンプライアンスの観点で、会議や議会などにおける発言内容と発話者を正確に記録として残す必要性が高まる中、録音データを聞きながらの発言録作成の非効率さが課題となっています。
「Zinrai TalkVisible」は、ディープラーニングにより、汎用のレコーダーなどで録音されたデータから環境音などのノイズを除去して発話者を識別し音声をテキスト化します。予め、個々の音声を登録しておくと、発言内容と発話者の名前が紐づけされます。同時に、会議資料を登録しておくことで、AIが単語の出現回数から固有名詞や専門用語を自動で抽出して辞書登録し、録音データがテキスト変換される際の誤変換を防ぐなど、より正確な発言録を自動作成できます。さらに、発言録を修正するための専用エディタを提供します。録音データにあわせて発言録がハイライト表示され、修正箇所の繰り返し再生もできるなど、スムーズな修正作業を可能とします。これにより、発言録の文字起こし作業を大幅に効率化し、より実務の時間を導出することができます。
図1.「Zinrai TalkVisible」の構成 - 自然言語処理技術でコンタクトセンターのオペレーターの効率的なナレッジ検索を実現する「FUJITSU AI Zinrai Contact Center Knowledge Assistant」コンタクトセンターでは、オペレーターがお客様からの問い合わせ内容をシステムに記録しながら、オペレーター自らが選んだワードでナレッジを検索し回答する、という高度かつ煩雑な業務が求められています。しかし、そのような業務を実現するには一定の知識と経験が必要であるため、オペレーターの早期育成が大きな課題になっています。
「Zinrai CKA」は、お客様とオペレーターの会話をリアルタイムにテキスト表示し、表示されたテキストを選択することで、当社の自然言語処理技術により、蓄積されたナレッジやFAQデータの中から適切な回答を自動的に提示します。また、AIによる関連語自動抽出技術(特許出願中)により、会話には直接含まれていない関連し得るワードで同時に検索が行われ、より精緻な検索結果からお客様に有益な回答を提供することが可能となります。これにより、知識や経験の浅いオペレーターでも迅速かつ正確な応対が可能になり、お客様満足度を向上させることができます。
図2.「Zinrai CKA」の画面イメージ
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
関連リンク
- 「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」
- 「FUJITSU AI Zinrai TalkVisible」
- 「FUJITSU AI Zinrai Contact Center Knowledge Assistant」
本件に関するお問い合わせ
富士通コンタクトライン(総合窓口)