磁化プラトー相の量子スピンダイナミクスの解明

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非従来型スピンダイナミクスの理解へ進展

2018/07/10 理化学研究所 上海交通大学

理化学研究所(理研)開拓研究本部古崎物性理論研究室の紙屋佳知基礎科学特別研究員、上海交通大学のジエ・マ教授(アシスタント・プロフェッサー)らの国際共同研究グループは、三角格子反強磁性体[1]アンチモン酸バリウムコバルト(Ba3CoSb2O9)の強磁場中「磁化プラトー相[2]」の量子スピンダイナミクスの詳細を明らかにしました。また、マグノン-スピノン対の分数化現象[3]など、本質的に新しい現象が無磁場中で起きている可能性が高いことも示しました。

本研究成果は、Ba3CoSb2O9をはじめとするフラストレート量子磁性体[4]において、スピノン[5]など新しい分数磁気励起が関わる非従来型スピンダイナミクスの基礎研究の大きな進展につながると期待できます。

今回、国際共同研究グループは、強磁場中の中性子散乱実験[6]と非線形スピン波理論[7]によってBa3CoSb2O9の磁化プラトー相の励起スペクトルを調べ、実験が非常によく再現されることを示しました。このことは、量子効果によって実現している磁化プラトー相の磁気励起がよく知られたスピン波励起(マグノン)[8]であることを意味しています。さらに、対象物質の磁気異方性[9]などのモデルパラメータを正確に決定することにより、先行研究で報告された無磁場中のBa3CoSb2O9の磁気励起スペクトルについて、逆に、通常のマグノンとしては説明できないことも明らかにしました。

本研究は、英国のオンライン科学雑誌『Nature Communications』(7月10日:日本時間7月10日)に掲載されます。

※国際共同研究グループ

理化学研究所 開拓研究本部 古崎物性理論研究室
基礎科学特別研究員 紙屋 佳知(かみや よしとも)

米国 ジョージア工科大学 物理学部
大学院生 ルウェイ・ガ(Luwei Ge)
アシスタント・プロフェッサー マーティン・モウリガル (Martin Mourigal)

米国 オークリッジ国立研究所 中性子散乱部門
スタッフ・サイエンティスト タオ・ホン(Tao Hong)
スタッフ・サイエンティスト 松田 雅昌(まつだ まさあき)
スタッフ・サイエンティスト フイボ・カオ(Huibo Cao)

米国 国立標準技術研究所 NIST中性子研究センター
スタッフ・サイエンティスト イーミン・チウ (Yiming Qiu)

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