2026-06-17 東京科学大学
東京科学大学の研究チームは、6Gでの利用が期待される300GHz帯テラヘルツ無線通信向けに、オンチップアンテナを搭載した2次元フェーズドアレイトランシーバICを開発した。従来、この周波数帯では波長が約1mmと極めて短いため、アンテナと送受信回路を半波長間隔で高密度集積することが困難だった。研究チームは65nm CMOSプロセスを用い、小型化したオンチップダイポールアンテナと超小型送受信回路を一体化し、4×4の2次元アレイを1チップ上に実装することに世界で初めて成功した。開発したICは16系統の双方向送受信回路を備え、±32°の2次元ビーム走査機能を実証したほか、数メートルの通信に十分な放射性能を達成した。さらに、1素子当たり26mWという超低消費電力を実現し、素子面積と消費電力の両面で世界最小レベルを達成した。本成果は、低コストかつ量産性に優れたCMOS技術によるテラヘルツ無線機実現への大きな前進であり、100Gbps級の6G超高速通信や将来の基地局・端末開発を加速することが期待される。

図1. 300 GHz帯 2次元フェーズドアレイトランシーバICのチップ写真
<関連情報>
240~270GHz帯4×4双方向フェーズドアレイ送受信機(オンチップ半波長間隔アレイ、超低消費電力、65nm CMOSプロセス)
A 240–270 GHz 4×4 Bi-Directional Phased-Array Transceiver with On-Chip Half-Wavelength-Spaced Array and Ultra-Low Power Consumption in 65-nm CMOS
Chun Wang, Olivia Angel Yong, Chenxin Liu, Wenqian Wang, Anyi Tian, Abanob Shehata, Takumi Kojima, Hans Herdian, Yudai Yamazaki, Sunghwan Park, Minzhe Tang, Dongfan Xu, Sena Kato, Yuncheng Zhang, Kazuaki Kunihiro, Hiroyuki Sakai, and Kenichi Okada
2026 IEEE/JSAP Symposium on VLSI Technology & Circuits


