2026-09-02 オークリッジ国立研究所(ORNL)
米国オークリッジ国立研究所(ORNL)とカナダ・レジャイナ大学の研究者らは、約6600万年前のティラノサウルス・レックス「スコッティ」の化石化した肋骨を、中性子イメージングによって非破壊で3次元解析した。骨折後の治癒途中で形成されたとみられる鉱物化した血管網が保存されており、化石では極めて珍しい軟組織の痕跡を確認した。中性子は特に水素など軽元素に敏感で、X線では捉えにくい軟組織の情報を可視化できる。研究では、ORNLのHFIRに設置されたMARSとSNSのVENUSを使い、小型試料には低温中性子、大型の骨には高エネルギー中性子を利用して高分解能画像を取得した。既往のマイクロCT、放射光X線、顕微鏡観察と組み合わせることで、骨折・治癒過程や化石化した軟組織を詳細に調べる新たな解析手法を示した。今後は他の恐竜化石にも適用し、疾病や治癒パターンの比較研究につなげる計画である。

U of R researchers brought this hadrosaur rib from the Royal Tyrrell Museum fossil collection to ORNL’s VENUS beamline for high-resolution imaging. Credit: Sumner Brown Gibbs/ORNL, U.S. Dept. of Energy
<関連情報>


