2022-01

1701物理及び化学

カゴメ格子に由来する磁気熱電効果の増大機構の発見~高機能磁気熱電変換材料の新たな物質設計指針へ~

鉄を主とするカゴメ格子強磁性体Fe3Snにおいて巨大な磁気熱電効果(=異常ネルンスト効果)が発現することを発見しました。加えて、第一原理計算を用いたコンピュータシミュレーションによる電子状態の解析の結果、ノーダルプレーンと呼ばれる特殊な電子状態が、カゴメ格子強磁性体Fe3Snにおける巨大な磁気熱電効果の起源となっていることが明らかとなりました。
1604情報ネットワーク

5G を活用して、モバイル通信でリモートからアニメ CG を制作する実証実験に成功!

4G の通信網に切り替えず、 5G の高速通信・超低遅延などの能力を引き出せる「スタンドアローン(SA)方式」の 5G を活用し、モバイル通信でリモートからアニメ CG を制作する実証実験を実施し成功しました。
1600情報工学一般

大容量金融取引データの量子暗号による 高秘匿通信・低遅延伝送の検証実験に成功

量子暗号技術の社会実装に向けて、高速大容量かつ低遅延なデータ伝送が厳格に求められる株式取引業務をユースケースとした量子暗号技術の有効性と実用性に関する共同検証を開始し、実際の株式トレーディング業務において標準的に採用されているメッセージ伝送フォーマット(FIXフォーマット)に準拠したデータを大量に高秘匿伝送する際の、低遅延性及び大容量データ伝送に対する耐性について国内初の検証を行いました。
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0505化学装置及び設備

ピンと張られた分子鎖を定量する「羽ばたき型蛍光Force Probe」の開発

約100 pNという微小な力に応答して蛍光色を変化させる分子として、羽ばたき型の蛍光Force Probeを開発しました。これは、亀裂などの破壊が起こる前に、高分子材料の中でどのくらいの比率の分子鎖がピンと張られているかを知る上で最適な新しいタイプの蛍光Force Probeです。
1701物理及び化学

固体中電子の電磁応答の統一~分子性固体における大きな反磁性と電気伝導の量子化~

「ディラック電子系」と呼ばれる物質の磁化率と電気伝導度の間のスケーリング則(比例関係)を発見し、この電磁応答の統一が特殊相対性理論における「時間と空間の対称性」に対応していることを見いだしました。グラフェンやトポロジカル絶縁体など、次世代デバイスの候補材料における電磁応答の理解の基盤になると期待できます。
1700応用理学一般

ヒドリド超イオン導電体の発見~H–超イオン導電性を示す固体電解質材料を初めて創出~

電荷担体となるH–と酸化物イオン(O2–)が共存する酸水素化物を対象にした物質探索をおこない、新規H–イオン導電体BLHOを開発することに成功しました。酸水素化物の合成に、常圧下での一般的な固相反応で酸水素化物を合成したことで、多量の空孔を含む常圧安定組成の存在を見いだせたことがH–超イオン導電相の発見の鍵となりました。
1701物理及び化学

惑星誕生のゆりかごを揺らす飛来天体

すばる望遠などを用いた多波長観測により、若い星系に飛来した天体が原始惑星系円盤を乱す様子が明らかにされました。星系への「侵入者」が原始惑星系円盤に作用する様子を包括的に調べた観測は本研究が初めてです。
1204農業及び蚕糸

イネ害虫の発生調査で、専門家の目を持つAIがウンカ類を自動カウント

イネ害虫の発生調査において、調査板の画像からイネウンカ類を自動認識するAIを開発しました。ウンカ類を90%以上の精度で認識・自動カウントすることで、目視では調査板1枚当たり1時間以上かかることもある調査時間を、3~4分に短縮できます。本成果は、害虫の的確な防除や被害発生の予測に役立ちます。
1701物理及び化学

熱い抱擁を遂げた双子星の末路を解明

今回観測した、水蒸気分子が放つ強力なメーザー(レーザーの電波版)が観測される双極高速ガス流を伴う「宇宙の噴水」天体のほとんどが、星の質量の半分にも達する大量の物質をこの一瞬の間に星の外へ吐き出していることを突き止めました。これら物質の量を見積もるために、分厚い共通外層の中までも見通すことができる電波の輝線(炭素・酸素原子の微量同位体を含む一酸化炭素分子が放つ電波)を観測しました。これらの輝線は、アルマ望遠鏡の驚異的な感度によって「宇宙の噴水」天体で今回初めて検出されました。これら輝線の強さから、「宇宙の噴水」天体を成す星は、もともとは太陽程度、大きくてもその2~3 倍の質量しか持たない星であることが分かりました
1602ソフトウェア工学

ニュース記事の自動要約サービス「自動要約 AI(β版)」を提供開始

AI を活用したニュース記事の自動要約サービス「自動要約 AI(β版)」の共同開発をいたしました。
1202農芸化学

ダイコン種子の黒斑細菌病菌検査標準作業手順書

黒斑細菌病は、アブラナ科野菜の生産の上で世界的に大きな問題となっている病害で、2種の細菌が病原であること、両者はともに種子伝染により被害が拡大することが知られており、その防止のためには健全な種子の生産・流通が不可欠です。種子伝染に加え、病原細菌の種によって病気の性質や感染できる植物種の範囲が異なることから、種子の検査においても、いずれの菌に汚染されているのかまで明らかにすることが、被害拡大防止のための最重要対策となります。
1701物理及び化学

磁石の中で自然と現れる「止まった波」~超放射相転移が起こる磁石を発見~

エルビウムオルソフェライト(ErFeO3)と呼ばれる磁性体の実験データから理論モデルを構築し、約4ケルビン(マイナス269度)で起こる相転移が、磁気的な波が止まった形で自然と現れる超放射相転移であることを見いだしました。この磁気的な波は、超放射相転移が起こった際に、特殊な量子論的な状態となることが知られています。今後、量子センシングや量子コンピューティングなどの量子技術への応用が期待されます。
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