(Engineers 3D-Print Personalized, Wireless Wearables That Never Need a Charge)
2021-10-08 アメリカ合衆国・アリゾナ大学
・ アリゾナ大学が、新タイプの医療用ウェアラブルデバイスの「biosymbiotic device」をカスタム作製する 3D プリント技術を開発。
・ 着用者の身体の 3D スキャンデータ等を基に 3D プリントで作製する新ウェアラブルデバイスでは、数メートル範囲のワイヤレス給電と小型のエネルギー貯蔵ユニットにより継続運転が可能な全く新しいコンセプトを提供する。
・ スマートウォッチは充電が必要な上、腕に装着するため収集できるデータ量が制限される。新技術では、MRIs や CT スキャン等から得られる着用者の身体の 3D スキャンデータやスマートフォンによる画像情報を利用し、着用者の身体のあらゆる部分にフィットする軽量で通気性に富んだ目立たないメッシュ状のデバイスが作製できる。
・ 例えば、トレーニング中の上腕二頭筋の形状変化を測定したい場合には、それに適した場所にセンサーを配置できるため、高感度センサーによる多様な生理的パラメータの測定が可能となる。
・ ランニングマシンでの跳躍・歩行時やローイングマシン利用時の体温と歪み等のパラメータをモニタリングする試験を実施。ローイングマシンでは、複数のウェアラブルデバイスの着用でトレーニングの強度と筋肉の詳細な変形を追跡し、歩行による身体温度の変化を検出できる精度を実証した。
・ 歩数や心拍をモニタリングするウェアラブルセンサーは、現在ほぼユビキタスな存在となっているが、高齢者の衰弱の兆候の検知や致命的な疾病の迅速な診断、新薬の効き目を判断する試験等には医療用デバイスが必要。
・ ウェアラブルデバイスによる健康状態や身体機能の追跡は新しいアイデアではないが、現行のウェアラブルデバイスでは医学的に有用な判断につながるような精度での継続的な測定能力に欠ける。
・ また、皮膚に貼り付けるパッチ状のデバイスでは、皮膚や汗と共に剥がれやすく、ECG モニター等の高度なウェアラブルデバイスでも同様な課題がある。また、ワイヤレス未対応のため、可動性が制限される。
・ 本研究には、Flinn Foundation Transitional Bioscience Seed Grants Pilot Program が資金を提供した。本技術の知的財産の保護と上市に向けたスタートアップの設立に向け、アリゾナ大学の商業化部門の Tech Launch Arizona と協働している。
URL:
<NEDO海外技術情報より>
(関連情報)
Science Advances 掲載論文(フルテキスト)
Biosymbiotic, personalized, and digitally manufactured wireless devices for indefinite collection of
high-fidelity biosignals
URL: https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abj3269