地球上最大の巨大海台はなぜできたか?

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2021-05-25 東京大学

1. 発表者:

一瀬 建日(東京大学地震研究所 附属海半球観測研究センター 助教)
末次 大輔(海洋研究開発機構 海域地震火山部門 火山・地球内部研究センター 上席研究員(シニア))
石川 晃(東京工業大学 理学院 地球惑星科学系 准教授)
塩原 肇(東京大学地震研究所 附属海半球観測研究センター 教授)
杉岡 裕子(神戸大学 海洋底探査センター・大学院理学研究科 教授)
吉澤 和範(北海道大学 大学院理学研究院 地球惑星科学部門 准教授)

2.発表のポイント:

◆世界最大の海台であるオントンジャワ海台のプレートの底が周囲より約 40km 深いことを明らかにし、これが海台形成時の熱組成プルーム(注 1)の融け残りが付加したものであることを示した。
◆オントンジャワ海台で海底地震観測を実施し、海台のプレートの底が周囲より深いことを明らかにし、さらに岩石学的証拠を基に、海台の成因が熱組成プルームの上昇に起因することを示した。
◆オントンジャワ海台の成因の解明は、白亜紀の地球変動の要因への理解を深めるだけでなく、将来発生する巨大な火山活動によってもたらされる地球環境変化の大きさとメカニズムを予想するための指標となる。

3.発表概要:

オントンジャワ海台は西太平洋の赤道付近に位置する巨大な海底の高まりで、広さは日本国土の 4 倍以上に及びます。約 1 億 2 千万年前に極めて激しい海底火山活動によって形成され、当時の地球環境を激変させたと考えられています。しかし、海台の地下構造が調査されていなかったため、火山活動の原因は未解明でした。
東京大学地震研究所の一瀬助教、海洋研究開発機構の末次上席研究員らの研究グループは、海台の地下構造を推定するためにオントンジャワ海台を含む海域で実施された海底地震観測(図 1)のデータを使用して、オントンジャワ海台下でプレートの底が周囲より 40km 深いことを明らかにしました(図 2)。さらにオントンジャワ海台の岩石学的な研究結果を考え合わせて、オントンジャワ海台の火山活動は地球深部から上昇してきた熱組成プルームによることを提案し、地表に噴出したマグマの融け残りが海台に貼り付いてプレートが厚くなったことを世界で初めて示しました(図 3)。この成果は白亜紀の地球環境変動の理解を深めるだけでなく、将来発生する巨大火山活動の発生メカニズムや地球環境変動への影響を予想するための指標となるものです。

詳しい資料は≫

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1702地球物理及び地球化学
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