カーボンリサイクル技術における実証研究拠点化と技術開発に着手~大崎上島を実証研究拠点へ~

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2020-08-05 新エネルギー・産業技術総合開発機構

NEDOはCO2を資源として有効利用するカーボンリサイクル技術の早期実用化に向け、さまざまな研究や技術開発に集中・横断的に取り組む実証研究拠点を広島県の大崎上島(大崎上島町)に整備します。このたび5件のテーマを採択し、中国電力(株)大崎発電所内に研究開発に対応した施設を整備するとともに、さまざまなカーボンリサイクル技術の研究に着手することとしました。

NEDO事業として石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)とCO2の分離・回収技術を組み合わせた石炭火力発電の実証試験を行っている大崎発電所において、世界最先端の技術や近く実用化が見込める技術を一元的に研究開発する環境を整えることで、カーボンリサイクル技術の確立を通じたCO2削減に貢献します。

広島県の大崎上島に設けるカーボンリサイクル実証研究拠点のイメージ

図 広島県の大崎上島に設けるカーボンリサイクル実証研究拠点のイメージ

1.概要

CO2を資源として回収し有効利用するカーボンリサイクル技術は、火力発電などから排出されるCO2の削減につながる気候変動対策として早期の実用化を求められています。経済産業省は2019年6月に策定した「カーボンリサイクル技術ロードマップ」で、CO2を素材や燃料に利用することでCO2排出量を抑制する方針を示しました。また、2019年9月に同省から示された「カーボンリサイクル3Cイニシアティブ」および2020年1月に策定された「革新的環境イノベーション戦略」(統合イノベーション戦略推進会議)においても、石炭ガス化複合発電(IGCC)※1や石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)※2と、発生するCO2を分離・回収する実証事業を進める大崎上島をカーボンリサイクル技術の実証研究拠点として整備するとされました。

これを踏まえ、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのたび、大崎上島の実証研究拠点化と、この実証研究拠点でカーボンリサイクル技術の実用化に向けたさまざまな技術開発を進めていくために5件のテーマを採択しました。

本テーマは大きく二つから構成されています。「CO2有効利用拠点化推進事業」では、大崎上島を実証研究拠点とするために必要な設備・施設を整備するとともに、実証研究拠点の運営や研究活動の支援を行い、技術開発の総括的な評価などに取り組みます。また、「研究拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業」では、整備した拠点においてCO2を有効利用するための技術開発を行い、さまざまな技術を対象に経済性やCO2削減効果などを評価します。具体的には市場規模の大きい、打設や鉄筋に適用できるCO2有効利用コンクリートの研究開発、将来的に需要増が見込めるCO2を利用した化成品の製造プロセス構築、菌類を用いたCO2固定化技術のシステム構築に取り組みます。

2.事業の内容
事業名:
カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発
事業期間:
2020年度~2024年度
事業総額:
60億円程度
3.採択テーマと委託予定先

CO2有効利用拠点化推進事業

研究拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業

【注釈】
※1 石炭ガス化複合発電(IGCC)
石炭をガス化して、ガスタービンと蒸気タービンの2種類の発電形態を組み合わせて複合発電を行う発電方式。(Integrated Coal Gasification Combined Cycle)
※2 石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)
石炭をガス化して、燃料電池とガスタービン、蒸気タービンの3種類の発電形態を組み合わせて複合発電を行う発電方式。(Integrated Coal Gasification Fuel Cell Combined Cycle)
4.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 環境部 担当:高橋(洋)、和田、在間 TEL:044-520-5293­

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:佐藤、坂本、鈴木(美) 

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