何万個もの人工頭脳シナプスをシングルチップに搭載

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(Engineers put tens of thousands of artificial brain synapses on a single chip)

2020/6/8 アメリカ合衆国・マサチューセッツ工科大学(MIT)

A close-up view of a new neuromorphic “brain-on-a-chip” that includes tens of thousands of memristors, or memory transistors.

・ MIT が、銀と銅の合金技術で作製した数万個のメモリスタを 1 ミリ四方のシリコンチップに搭載した、「ブレイン・オン・チップ」を開発。
・ ニューロモーフィック・コンピューティングに不可欠なメモリスタは、人間の脳で情報を送信するシナプスを模倣したシリコンベースのコンポーネント。今回、脳の神経構造のように情報を処理する新タイプの回路をベースとしたエレクトロニクスである、ニューロモーフィックデバイスに有望なメモリスタの新設計を実証。現在のソフトウェアとしての人工シナプスネットワークに対し、ポータブルな AI システムのためのニューラルネットワークのハードウェア構築を試みるもの。
・ メモリスタはニューロン間の接合部であるシナプスに近い働きをするが、ニューロモーフィックデバイスでは回路のトランジスタとして機能する。シナプスは、ニューロンからイオンの形で信号を受け取り、対応する信号を別のニューロンに送る。
・ 電流として信号を受けた場合にのみ、0 と 1 の切り替えで情報を送信する従来型回路のトランジスタと異なり、メモリスタでは受ける信号の強さによって発する信号が変化する。このため 1 個のメモリスタが多数の値を持ち、バイナリのトランジスタに比べて幅広いオペレーションが可能となる。
・ また、特定の電流の強さに応じた値を「記憶」し、次に同様な電流を受けた際に同一の信号を出力できるため、多数のトランジスタやキャパシタが必要となる複雑な方程式の回答や物体の画像分類タスクでの信頼性を確保できる。
・ 現行のメモリスタの課題は、微弱な信号の処理が困難なため性能が制限されること。メモリスタの電極間に「伝導経路」を形成して移動するイオンの量は、メモリスタにかかる電圧の強度に比例する。
低電圧では同伝導経路が細くなり、イオンの移動量が軽減。するとイオンの纏りが解かれ、個々のイオンが経路から離れる。その結果、電極が受け取るイオン数が変化し、同一の信号の送信が不可能となる。この課題を銀の正極に微量の銅を加えることで解決。銀イオンの纏りの維持と、それらの移動速度を向上させた。
・ 同ブレイン・オン・チップの試験では、グレイスケール画像の各ピクセルに対応させた各メモリスタのコンダクタンスを各ピクセルの色調に合わせて調節し、鮮明な画像を再現。また、同画像を記憶して複数回の再現にも成功した。さらに、メモリスタをプログラムしてチップに画像処理を実行させたところ、従来のメモリスタ設計を上回る信頼性で処理画像を生成した。
・ 同技術をさらに進展させ、より大規模なアレイによる画像認識タスクの試行を目指す。スーパーコンピュータやインターネットに頼らない、パワフルなポータブルコンピューティングデバイスの実現が理想。
・ 本研究は、MIT Research Support Committee ファンド、MIT-IBM Watson AI Lab、Samsung Global
Research Laboratory および米国立科学財団(NSF)が一部支援した。
URL: http://news.mit.edu/2020/thousands-artificial-brain-synapses-single-chip-0608

<NEDO海外技術情報より>

(関連情報)

Nature Nanotechnology 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)
Alloying conducting channels for reliable neuromorphic computing
URL: https://www.nature.com/articles/s41565-020-0694-5

Abstract

A memristor has been proposed as an artificial synapse for emerging neuromorphic computing applications. To train a neural network in memristor arrays, changes in weight values in the form of device conductance should be distinct and uniform. An electrochemical metallization (ECM) memory, typically based on silicon (Si), has demonstrated a good analogue switching capability owing to the high mobility of metal ions in the Si switching medium. However, the large stochasticity of the ion movement results in switching variability. Here we demonstrate a Si memristor with alloyed conduction channels that shows a stable and controllable device operation, which enables the large-scale implementation of crossbar arrays. The conduction channel is formed by conventional silver (Ag) as a primary mobile metal alloyed with silicidable copper (Cu) that stabilizes switching. In an optimal alloying ratio, Cu effectively regulates the Ag movement, which contributes to a substantial improvement in the spatial/temporal switching uniformity, a stable data retention over a large conductance range and a substantially enhanced programmed symmetry in analogue conductance states. This alloyed memristor allows the fabrication of large-scale crossbar arrays that feature a high device yield and accurate analogue programming capability. Thus, our discovery of an alloyed memristor is a key step paving the way beyond von Neumann computing.

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