衛星データプラットフォーム「Tellus」を通じて 人工衛星「つばめ」による観測画像を公開

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2019-05-15  宇宙航空研究開発機構,経済産業省

経済産業省及びJAXAは、衛星データプラットフォーム「Tellusテルース」を通じて、JAXAの人工衛星「つばめ」の観測画像を公開します。これにより、高頻度観測による新たな衛星データ利用の創出を目指します。

経済産業省では、衛星データを活用したビジネス創出を促進する観点から、「政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利用環境整備・データ利用促進事業」を実施し、ユーザにとって使いやすい衛星データプラットフォーム「Tellus」の開発を進めています。本事業では、これまで国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)から、陸域観測技術衛星「だいち」等のJAXA保有の衛星データの提供及び技術的助言を受けており、本年2月21日には「Tellus」のプロトタイプ版を一般公開しました。これにより、衛星データの無償での商業利用が可能となっています。

この度、経済産業省及びJAXAは、JAXAが技術実証を目的として開発運用を進めてきた超低高度軌道を飛行する超低度衛星技術試験機「つばめ」の画像データを、5月15日より、「Tellus」を通じて公開することに合意しました。

「つばめ」は、4月2日~5月10日までの間、超低軌道(約270km)から東京都心を毎日16時半頃に定点観測(※)し、その後、段階的に高度を下げ、今秋9月頃にかけて撮像実験を行うこととしており、これらの観測データが「Tellus」で公開されることになります。

経済産業省は、「Tellus」で提供する多種多様なデータセットの一部として、「つばめ」のユニークなデータを取り込むことで、衛星データプラットフォームの価値向上、ひいては衛星コンステレーションによる高頻度撮像を見据えた新たな衛星データ活用ビジネス創出の推進を図ります。

JAXAは、衛星データの利便性の向上による利用の促進の観点から、「Tellus」を通じて、従来の地球観測衛星には無い「つばめ」の定点観測データと民間ならではの様々なアイデアとの融合による新たな衛星データ利用分野が生まれることを期待します。

経済産業省及びJAXAは今後も衛星データの利用促進に向け協力をしていく予定です。

2019年4月4日撮像

2019年4月4日撮像

2019年4月5日撮像

2019年4月5日撮像

定点観測撮像(例:東京 国立競技場周辺)

※毎日同じ地点の真上を衛星が通過します。この軌道では、観測対象を毎日同じ方向から観測することが可能となります(定点観測)。

一般的な地球観測衛星の準回帰軌道では、同じ地点の真上を再び衛星が通過するには一定期間(例:10日~40日程度)待つ必要があります。このため、地球を広範囲に観測できる一方、同じ地点を同じ方向から観測する頻度は低くなります。

別紙1

Tellusについて

「Tellus」は、産業利用を目的とした日本初の衛星データプラットフォームです。2019年2月21日にプロトタイプを公開しました。衛星データとその利用に必要なクラウドコンピュータを、民間企業をはじめ研究機関から、大学、個人まで、誰もが気軽に、無料で利用することが可能です。具体的には、JAXA衛星をはじめとする政府衛星データに加え、人流などの地上データも搭載されており、それらを閲覧したり、重ね合わせたりする機能や、重ね合わせたデータを分析・解析する環境が整備されております。こうしたTellusの提供するデータや解析環境をもとに、様々な産業分野から、宇宙由来のデータを活用したビジネスが創出されることを期待しています。

Tellus ポータルサイト

トップページ|Tellus
Tellusは今まで扱いの難しかった衛星データを誰もが簡単に扱うことができる環境を提供する、日本発の衛星データプラットフォームです。

別紙2

つばめについて

超低高度衛星技術試験機「つばめ」(※1)は2017年12月23日に打上げた、これまで未開拓の高度300km以下の「超低高度軌道」に挑む技術試験機です。超低高度軌道を利用する人工衛星は、地上に近い分、より地球を高い解像度で観測することができます。たとえば、これまでの地球観測衛星の観測センサと同じ解像度を半分以下サイズのセンサで実現できる可能性があります。また、燃料効率の高いイオンエンジンを搭載することで、大気抵抗の大きい超低高度において長期間の軌道保持が可能になり、また、従来の衛星にないフレキシブルな軌道変換を可能とするのが特徴です。

今回提供する画像データは、質量19.4kg、口径20cmの小型の光学センサで取得したものです。2006年1月に打ち上げた高度692kmの陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)に搭載した光学センサ(PRISM)(口径30cm、分解能2.5m)と比べ、超低高度での観測により、口径がより小さい20cmにも関わらず、分解能1m以下のより高精細な観測を実現しています。

「つばめ」は4月2日から5月10日にかけて完全回帰軌道(※2)である軌道高度271.5kmを保持し、東京都心部を毎日16時半ごろに撮像する実験を実施しました。

その後は、段階的に高度を下げ、今秋9月頃にかけて超低高度域における大気データや原子状酸素のデータを取得するとともに、小型高分解能光学センサによる撮像実験を行います。「つばめ」で得られた超低高度での知見は、超低高度での新たな衛星利用へつなげていきます。

※1衛星の詳細情報。http://www.satnavi.jaxa.jp/project/slats/

※2毎日同じ地点の上空に衛星が現れる軌道。

「つばめ」の外観

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