2018/08/31 道上達広(近畿大学 工学部)、 JAXA, はやぶさ2ONCチーム
小惑星リュウグウの表面には、予想以上に多くの岩塊があることが分かりました。小惑星イトカワでも多くの岩塊があったのですが、リュウグウの方が、面積あたりでもその個数が多いかもしれません。2018年6月30日にホームポジション(リュウグウから約20km離れたところ)から撮影した画像に基づいて見かけ上8mから10m以上の岩塊に緑色の印をつけたものが図1と図2です。
図1 リュウグウ表面上の岩塊の分布(正面の経度300度)。緑色のマークは見かけ上8mから10m以上の岩塊を示す。この図では、小惑星の北極が上向きになっている。
画像クレジット※:近畿大/JAXA/東京大/高知大/立教大/名古屋大/千葉工大/明治大/会津大/産総研
図1が比較的、岩塊が少ないと考えられている場所、図2が比較的、岩塊が多いと考えられている場所です(ただし、今後の詳細な解析で変わる可能性はあります)。どちらも数100個以上あります。これらの岩塊の位置を見ますと、多いところと少ないところで、かなりのバラツキがあることが分かります。一般に岩塊は小惑星がどのような衝突を受けたのかを示す貴重な証拠となります。今後、これらの岩塊の個数、形状、バラツキを詳細に調べ、他の観測データの結果と比較することで、小惑星リュウグウの形成が明らかになることでしょう。
図2 リュウグウ表面上の岩塊の分布(正面の経度60度)。緑色のマークは見かけ上8mから10m以上の岩塊を示す。この図では、小惑星の北極が上向きになっている。
画像クレジット※:近畿大/JAXA/東京大/高知大/立教大/名古屋大/千葉工大/明治大/会津大/産総研
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