スポット価格予測に基づくJEPX先渡価格付けモデルの構築

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山田 雄二 (筑波大学)

発行日/NO.
2017年12月  17-J-072

研究プロジェクト
商品市場の経済・ファイナンス分析

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概要

電力システム改革に基づく小売電力完全自由化を背景に、日本卸電力取引所 (JEPX) における卸電力の取引所取引が、現在、注目を浴びている。特にスポット電力市場は、2016年度実績で約定量が総需要の3%程度に達し、2005年の開設以来、継続的な取引が行われている。一方、先渡市場については、開設から10年以上が経過した現在においても、取引は年に十数件程度とデータがまばらにしか観測されず、実績先渡価格のみから先渡価格のモデルを構築することは困難である。そこで本研究では、現時点で連続的なデータが観測されるJEPXスポット価格をベースに、価格予測の考え方を用いて先渡価格モデルを構築することを考える。

本論文では、JEPX スポット価格の対数系列をトレンドと残差に分解し、金融工学分野におけるデリバティブ価格付け手法の1つである測度変換を適用することで先渡価格を導出する。具体的な手順は以下の通りである。まず、JEPXスポット価格系列を確定的なカレンダーパラメータのトレンド関数とそれ以外の残差項を用いて表現し、残差項を状態空間モデルとして記述する。つぎに、残差に対して時系列モデルを当てはめ、残差の条件付期待値から将来価格を予測するスポット価格予測モデルを構築する。さらに、スポット価格予測モデルに対して、測度変換手法の1つであるエッシャー変換を適用し、先渡価格を定式化する。最後に実証分析を実施し、スポット価格の実績データに対して提案手法を適用した際の先渡受け渡し期間におけるスポット価格の予測精度、および実績先渡ペイオフから推定されるリスク回避度について考察する。

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