富士通エフ・アイ・ピー、アルフレッサ、PHCの3社が共同開発
2020-02-13 富士通エフ・アイ・ピー株式会社
富士通エフ・アイ・ピー株式会社(以下 富士通エフ・アイ・ピー)は、アルフレッサ株式会社(以下 アルフレッサ)およびPHC株式会社(以下 PHC)と、RFID(注1)、クラウドインフラ基盤、IoT(注2)技術を活用した、新たな特殊医薬品の流通管理プラットフォームを共同開発し、実証実験を開始いたします。
背景と目的
医薬品市場において、スペシャリティ医薬品などの革新的な特殊医薬品が多数発売され、これまで有効な治療方法がなかった疾病に対する、新たな治療として提供されています。特殊医薬品は、従来の医薬品と比較して、保冷管理のものが多く、微少な温度などの変化によって有効成分が変質してしまう特性を持つことがあるとされ、特殊医薬品のサプライチェーンの全工程で、厳格に温度を管理し、また製品一つひとつのトレーサビリティ(注3)を確立した上に、適切な在庫量を維持することが製品の安定供給の上で重要となっております。
富士通エフ・アイ・ピー、アルフレッサ、PHCの3社は、こうした特殊医薬品の流通に関する課題に対して、2019年3月に特殊医薬品の流通管理のための新たなプラットフォーム構築検討の基本合意契約を締結しました。基本合意の締結以降、3社が共同で研究を進め、今般、新たな特殊医薬品の流通管理プラットフォームを開発し、2020年3月よりその一部の機能について実証実験を開始することとなりました。
新たな特殊医薬品流通管理プラットフォームについて
新たな特殊医薬品流通管理プラットフォームは、製薬企業から特殊医薬品が入荷され、医薬品卸を経由して医療機関に届き、患者様に投与されるまでの全ての流通過程の情報をシステムに記録します。また医療機関に設置された特殊医薬品の保冷庫の入出庫の情報や、医療機関で患者様に特殊医薬品が投与された際の情報も、RFIDを活用してクラウド型インフラ基盤にデータとして蓄積し一元管理いたします。RFID、クラウド型インフラ基盤、IoT技術を駆使して、特殊医薬品の流通に必要な統合的な管理を実現し、医療機関・患者様だけではなく、医薬品卸、製薬企業など、プラットフォーム全ての参加者の活動を支援いたします。将来的には、アルフレッサ以外の医薬品卸会社にも本プラットフォームへ参画していただき、業界共通のプラットフォームとして活用できるように整備と普及を進めてまいります。
実証実験について
今回の実証実験では医療機関での保冷庫への入庫、出荷の部分を中心に検証します。実証実験を通じて、富士通エフ・アイ・ピー、アルフレッサ、PHCの3社は参加いただく医療機関の意見や要望を収集し、各種機能の検証結果などを踏まえた上で、商用サービスの早期開始を目指してまいります。
富士通エフ・アイ・ピーの製薬・医薬品業界向けシステム開発の実績を生かした各種クラウド型インフラ基盤サービスと、アルフレッサの医療用医薬品等卸売事業における全国流通ネットワーク、PHCの薬用保冷庫などに代表されるライフサイエンス機器の高い品質と市場占有率という強みを融合し、3社の知見を生かすことで、患者様に安心・安全な特殊医薬品が確実に提供されるプラットフォームの商用サービス展開に向けて検討を進めてまいります。
【特殊医薬品流通管理プラットフォームの概念図】
【実証実験で使用する機器(例)】
薬用保冷庫
RFIDタグを読み取るRFIDアンテナが取り付けられたスマートケージ
関連Webサイト
アルフレッサ株式会社およびPHC株式会社との特殊医薬品の流通管理のための新たなプラットフォーム構築検討にかかる基本合意契約の締結について(プレスリリース:2019年3月28日)
注釈
注1RFID(Radio Frequency IDentifier):
ID情報を埋め込んだRFタグから、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数cm~数m)の無線通信によって情報をやりとりするもの。
注2IoT(Internet of Things):
身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながる仕組み。
注3トレーサビリティ:
物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態。
注4EDI(Electronic Data Interchange):
商取引に関する情報を標準的な書式に統一して、企業間で電子的に交換する仕組み。
本件に関するお客様のお問い合わせ先
富士通エフ・アイ・ピー株式会社 産業第二統括営業部 第三営業部