時間的量子トモグラフィー学習手法を開発~量子機械学習の応用で記憶を持った量子デバイスの検証を可能に~

ad

2021-12-23 東京大学

量子技術の実現に向けた目覚ましい進歩に伴い、量子ハードウェアの設計においてはその特性評価が重要な役割を求められています。評価手法の中で、量子トモグラフィーと呼ばれる技術は、測定データから量子状態を再構成することで、量子デバイスを検証することを可能としますが、量子デバイスの出力状態は時間に依存しない入出力関数から得られたものと仮定しているため、入力の過去系列と過去の出力に依存するような記憶を持った量子デバイスには対応できないことが課題でした。

このたび情報理工学系研究科のチャン クオック ホアン特任研究員と次世代知能科学研究センター(AIセンター)の中嶋 浩平准教授からなる研究チームは、この問題を「時間的量子トモグラフィー」として初めて定式化し、問題解決のために、教師データとなる入出力量子状態ペアの系列からデバイスの未知な入出力関係の近似解となる新たな学習手法を提案しました。提案手法は量子リザバーコンピューティングと呼ばれる量子機械学習の手法を応用し、量子状態の記憶を保持する仕組みを作ることで、デバイスの持つ時間依存性を再現することを可能とします。この技術は、将来の量子通信や量子インターネットの実現に向けて、幅広い種類の量子デバイスへの適用が期待されます。
今回の研究成果はアメリカ物理学会が発行するPhysical Review Lettersオンライン版に2021年12月22日に掲載されました。

詳しい資料は≫

ad

1600情報工学一般
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました