瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査(西部海域)の結果について

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2018/09/07  環境省

瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査(西部海域)の結果について

瀬戸内海における藻場・干潟の保全・再生・創出等を図るため、環境省では衛星画像の解析手法を用いた藻場・干潟の分布状況調査を平成27年度から29年度の3年間で実施しました。
平成29年度に調査を行った西部海域(響灘、周防灘、豊後水道)では、藻場面積は5,367ヘクタール(東京ドーム約1,150個分)、干潟面積は6,657ヘクタール(同約1,420個分)となりました。
また、一部エリアにおける経年変化の試算の結果、既往調査(平成元~2年度)と比較して、今回調査(平成29年度)では、藻場面積は約10%の減少が見られましたが、海草藻場(アマモ)については、ヒアリング調査を実施した8エリアのうち3エリアで増加、1エリアで減少(4エリアは変化無し)、海藻藻場(ガラモ等)については、3エリアで増加、5エリアで減少となりました。干潟面積は全てのエリアで変化が見られませんでした。

1.背景と経緯

(1)瀬戸内海の環境保全については、瀬戸内海環境保全特別措置法等に基づく取組の結果、その水質は全体として改善傾向にあります。一方で、「豊かな海」の観点から、生物多様性・生物生産性の確保等の重要性が指摘されています。

(2)そのため、瀬戸内海環境保全基本計画の変更(平成27年2月)及び瀬戸内海環境保全特別措置法の改正(平成27年10月)において、藻場、干潟その他の沿岸域の良好な環境の保全、再生及び創出等の取組の推進が盛り込まれました。

(3)これを受け、瀬戸内海における最新の藻場・干潟分布域及び面積を把握するため、近年、技術向上が進んでいる衛星画像を活用して、瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査を平成27年度から実施しました。

2.調査の概要

瀬戸内海全域における藻場・干潟の分布域及び面積の調査を、平成27年度から29年度の3年間で実施しました。平成27年度は東部海域(紀伊水道、大阪湾、播磨灘、備讃瀬戸(一部の海域は平成28年度実施))、平成28年度は、中部海域(備後灘、燧灘、安芸灘、広島湾、伊予灘)で調査を実施し、結果を公表しているところです。
平成29年度は、西部海域(響灘、周防灘、豊後水道)で調査を実施しました。
本調査は、衛星画像の解析及び現地調査の実施により、5mメッシュごとに藻場・干潟の有無を分析するもので、ヒアリング等の手法を用いた既往の調査と比較して、より詳細な分布域を抽出することが可能です。
※調査方法の詳細につきましては、添付の概要資料を御覧ください。

3.調査結果の概要

今回、調査を行った西部海域(響灘、周防灘、豊後水道)における藻場面積は5,367ヘクタール(東京ドーム約1,150個分)、干潟面積は6,657ヘクタール(同約1,420個分)となりました。
既往調査(第4回自然環境保全基礎調査(平成元~2年度 環境庁))では、関係者ヒアリング等の手法を用いて藻場・干潟の分布を調査しており、本調査と調査方法が異なっています。そこで、既往調査との経年変化を比較するため、衛星画像解析手法とは別に、一部エリア(8エリア)において既往調査と同様の方法(ヒアリング)により調査を実施し、経年変化を試算しました。
試算の結果、既往調査(平成元~2年度)と比較して、今回の調査(平成29年度)では、藻場面積は約10%の減少が見られましたが、海草藻場(アマモ)については、ヒアリング調査を実施した8エリアのうち3エリアで増加、1エリアで減少(4エリアは変化無し)、海藻藻場(ガラモ等)については、3エリアで増加、5エリアで減少となりました。干潟面積は全てのエリアで変化が見られませんでした。

本調査の結果は、沿岸域の環境保全施策の検討・実施における基礎データとして活用してまいります。また、詳細データの公表により、自治体、研究機関等における調査・研究等にも活用されることが期待されます。

環境省HP(http://www.env.go.jp/water/heisa/survey/result_setonaikai.html)において、西部海域の藻場・干潟の分布図及びGISデータを本日公表しました。また、瀬戸内海全域の調査結果の概要についても追加しましたので、併せて御覧ください。
※調査結果の詳細につきましては、添付の概要資料を御覧ください。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室
室長   山本 郷史
室長補佐 坂口 隆
係長   島津 花菜
1903自然環境保全
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