1702地球物理及び地球化学

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1月の北西太平洋の爆弾低気圧が近年急増~東シナ海上の温暖多湿化が要因~

過去55年にわたる北太平洋の爆弾低気圧活動の長期変化について解析を行いました。1980年代後半以降、大陸からの季節風に伴う寒気の吹き出しが弱まり、中国南部から東シナ海にかけて対流圏下層の湿潤な前線帯が強化されていました。この前線帯で発生し、日本南岸を通過しながら北西太平洋で急激に発達する低気圧の頻度が増えたことが、爆弾低気圧の急増に繋がっていることを明らかにしました。
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2021年11月の地震活動の評価+補足(12 月1日以降の地震活動)

2021-12-09 地震調査研究推進本部,地震調査委員会 1.主な地震活動 目立った活動はなかった。 2.各領域別の地震活動 (1)北海道地方 目立った活動はなかった。 (2)東北地方 ○ 11 月9日に福島県中通りの深さ約5㎞でマグニチ...
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令和3年11月の地殻変動

2021年10月中旬から2021年11月中旬までの1か月間の地殻変動概況は、別紙のとおりです。東北地方を中心に、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。
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超深海の変質したマントル岩石の内部で炭素を含む海水が循環していることを明らかに

伊豆・小笠原海溝の水深6,400メートルの陸側岩盤を調査・分析した結果、炭素を含む海水が前弧マントル内を数万年以上かけて循環していたことが明らかとなった。沈み込み帯浅部の前弧マントルは、数万年以上炭素を保持できる炭素貯蔵庫である可能性が示され、深海生命活動との関係解明が期待される。
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中央アメリカにおける大地震と火山活動との関係に関する新発見

中央アメリカにおける大地震と火山活動との因果関係について、統計計算に基づく検証を行うことで、地震の発生と火山の噴火回数の増加に明らかな因果関係があることを示しました。これらの地震は、既に噴火の準備段階に入った火山にのみ、噴火を促す方向に作用した可能性が高いことも分かりました。
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海洋表層の鉛直混合がインド洋ダイポールモード現象に与える影響を解明

インド洋熱帯域で発生する正と負のインド洋ダイポールモード現象の強さが異なる原因を、領域海洋モデルを用いたシミュレーションにより特定した。海洋上層の熱収支を正確に評価することで、正と負のインド洋ダイポールモード現象の強さの違いに、海洋表層の鉛直混合過程が重要な役割を果たしていることが初めて明らかになった。
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気候と氷床のシミュレーションから示される退氷期の気候システムの変動

全球気候モデルを用いて過去2つの退氷期を比較する古気候実験を行い、北半球氷床の融解水の量が異なると観測された急激な気候変化の特徴が再現されることが分かりました。氷床の融解水が多いと、温暖化が大西洋深層循環を強めようとする働きを阻害するためで、過去2つの退氷期で海水準の上昇速度が異なることと整合する結果です。また北半球氷床の融解には地球の軌道要素の違いが関わることを北半球氷床モデルの古気候実験から示しました。氷期サイクルを駆動する地球軌道要素が北半球氷床を融解させて大西洋深層循環に作用することを通して、過去2つの退氷期の気候変化の違いの原因となることを示唆します。
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北極海の海氷減少で雲の性質が変化 ~強風による波しぶきにより氷雲の割合が増加~

海洋地球研究船「みらい」の北極海航海で取得した観測データの解析を行い、雲の相状態(水雲か氷雲か)が海上の風や波高で著しく変化することを明らかにしました。しぶきが多量に形成される強風時には、氷晶の核となりうる粒子が海から大気中に多量に供給され、雲の下層部分で氷晶の割合が多くなることが確認されました。
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福徳岡ノ場の火山活動について(11月11日観測)

福徳岡ノ場の11月1日の観測結果と比較し新島の台地はやや縮小しているものの、島の大きさに大きな変化は認められなかった。新島の北端から立ち上がる白色噴気を確認した。新島北側の海面で、円形の白い泡状の小規模な湧出を認めた。直径約3㎞の範囲に濃い黄緑色の変色水を認めた。南東約20㎞付近に直径約2㎞の黄緑色の変色水及び軽石と思われる浮遊物を認めた。福徳岡ノ場における海底火山活動は沈静化したとは言えず、熱活動も未だに活発な状態である。
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最終氷期の沖縄はどのくらい寒かったのか? 〜貝化石と鍾乳石による新しい地質考古学的手法からの復元〜

洞穴遺跡から出土した貝化石と鍾乳洞の鍾乳石(石筍)を用いた新しい地質考古学的手法を構築した。その手法を使用し、最終氷期における沖縄の気温を季節レベルの高時間分解能で復元することに成功した。
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令和3年10月の地殻変動

電子基準点等のGNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から求めた、2021年9月下旬から2021年10月下旬までの1か月間の地殻変動概況は、東北地方を中心に、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の余効変動が見られます。火山周辺では、硫黄島において地殻変動が見られます。
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巨大な海洋渦が暖かい海水を南極大陸方向へ運ぶ東南極トッテン氷河を下から融かす主要な熱源

東南極で最大級の規模を有するトッテン氷河の周辺域では、近年、氷床質量の減少が報告され、また、将来の大規模な氷床流出も懸念されています。水産庁漁業調査船「開洋丸」および南極観測船「しらせ」により実施された大規模な海洋観測で取得した現場観測データと衛星観測データを統合的に解析し、トッテン氷河の沖合に定在する巨大な海洋渦が、比較的温度の高い海水を効率的に南極大陸方向へと輸送していることを明らかにしました。
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