2026-09-09 近畿大学
本研究は、琵琶湖のワカサギで産卵時期が約25年前より1~2カ月早まったことを、産卵場での産着卵調査と生殖腺体指数(GSI)の解析によって実証した。近年の産卵盛期は1月中旬~下旬で、1995~1997年の3月上旬~下旬から大幅に前倒しされていた。背景には、早期産卵型個体の増加、冬季から春季にかけての水温上昇への環境適応、産卵を促す河川水温の低下時期の早期化という3要因が推定された。さらに琵琶湖西部沿岸でも12月中旬から産卵が始まり、1月中旬頃にピークを迎えることを確認した。本成果は、気候変動による水温環境の変化が魚類の繁殖時期に及ぼす影響を明らかにするとともに、ワカサギ資源の変動予測や持続的な資源管理、全国の湖沼における長期モニタリングの基礎となる知見を提供する。

ワカサギ産卵調査(左)ワカサギの産着卵(右)
<関連情報>
- https://www.atpress.ne.jp/news/8735715
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/advpub/0/advpub_26-00017/_article/-char/ja/
琵琶湖におけるワカサギ産卵期の早期化
成田 一平, 角田 恭平, 髙作 圭汰, 香田 万里, 武廣 陽斗, 石崎 大介, 甲斐 嘉晃, 池田 実, 亀甲 武志
日本水産学会誌 早期公開日: 2026/09/09
DOI:https://doi.org/10.2331/suisan.26-00017
抄録
琵琶湖に流入する河川及び沿岸におけるワカサギ産着卵は,12月の下旬ごろから確認され,1月の中旬から下旬にかけて最大となり,以降は減少した。雌の生殖腺指数は12月から翌年1月にかけて最大となった。これらから,現在の琵琶湖に生息しているワカサギの産卵期は,1月中旬から下旬が最盛期と考えられ,1995年の産卵期と比較し約1–2か月ほど早期化していることが示唆された。産卵期の変化はふ化時期の変化を通じて加入量変動に大きな影響を及ぼす可能性があるため,本研究は将来的な資源変動を理解する上で重要な情報となる。


