流体とスロースリップに駆動された能登半島群発地震~ソフトバンク独自基準点データを用いた地殻変動解析結果~

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2023-06-13 京都大学

西村卓也 防災研究所教授、平松良浩 金沢大学教授、太田雄策 東北大学准教授の研究グループは、GNSSデータの統合地殻変動解析により、石川県能登半島の北東部で発生している群発地震は大量の流体(約2,900万m3)が深さ16km程度まで上昇し、地下の断層帯内を拡散したことにより、断層帯でのスロースリップが誘発され、さらに断層帯浅部での地震活動も誘発されたことが原因と考えられることを示しました。

本研究では、能登半島の既設のGNSS観測点に加えて、本学と金沢大学による臨時観測点とソフトバンク株式会社による独自基準点のデータを統合解析することによって、最大で7cmの隆起を捉えるなど群発地震に伴う詳細な地殻変動の時空間発展を明らかにしました。これにより能登半島の地下で発生している現象の解明に貢献するとともに、日本列島の他の地域でも、かつてない高い空間分解能で微小な地殻変動を捉えられることを示唆するものです。

本研究成果は、2023年6月12日に、国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。

能登半島の群発地震のメカニズムの模式図。GNSSデータの解析から、地殻深部の流体が断層帯内を拡散することにより断層帯の膨張とスロースリップを引き起こし、さらにその浅部で活発な地震活動を長期にわたって引き起こしていることが示唆されます。能登半島の群発地震のメカニズムの模式図。GNSSデータの解析から、地殻深部の流体が断層帯内を拡散することにより断層帯の膨張とスロースリップを引き起こし、さらにその浅部で活発な地震活動を長期にわたって引き起こしていることが示唆されます。

詳しい研究内容について
流体とスロースリップに駆動された能登半島群発地震―ソフトバンク独自基準点データを用いた地殻変動解析結果―

研究者情報
研究者名:西村 卓也

書誌情報
産経新聞(6月13日 26面)、読売新聞(6月14日 31面)および日刊工業新聞(6月14日 25面)に掲載されました。

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