2025-01-25 株式会社NTTドコモ,慶應義塾大学
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と慶應義塾大学ハプティクス研究センター(以下、慶大)は、慶大が開発したロボティクス技術「リアルハプティクス ® 」 ※ 1 を活用したロボットの無線遠隔操作実現に向け、 5G 高信頼低遅延通信 URLLC※2(Ultra-Reliable and Low Latency Communications、以下 URLLC)を用いた実証実験(別紙参照)を行い、ヒトの手を動かして感じ取れる手応えを最大 96%※3 再現することに成功しました。URLLC とアプリケーションを接続した実験は日本初※4 の取組みです※5。
「リアルハプティクス」は、ヒトの指先や手のひらを動かして感じ取れる手応えをロボット上で再現可能な、慶大が開発した独自技術です。ヒトが感じる繊細な感覚を遠隔地に伝える「リアルハプティクス」を実現するためには、低遅延な通信状態を変動なく保つ必要があります。遅延時間やその変動が大きい場合、操作側とロボット側で同期がとれず、ロボットが制御不能な状態へ陥ってしまうため、モバイルデータ通信環境における「リアルハプティクス」を用いた遠隔操作ロボットの実現は困難でした。今回、5G evolution※6 の実現に必要な要件の一つで、超高信頼かつ低遅延の無線技術である URLLC を活用し、遅延時間の変動を限りなく抑えることで、「リアルハプティクス」を用いたロボットの無線遠隔操作において、本物の物体を直接つかむ手応えに限りなく近い水準である再現度 96% を実現することに成功しました。
この実証実験の成功により、モバイルネットワーク上でヒトの手を動かして感じ取れる手応えを、いつでも、どこでも、ロボット上で再現可能とすることで、屋外での利用はもちろん立ち入ることの難しい場所での活用など、新たなユースケースの広がりやロボット市場の拡大が期待できます。
ドコモと慶大は今後、「リアルハプティクス」をはじめとするロボティクス技術と URLLC に「docomo MEC」や「MEC ダイレクト」を組み合わせ、さらに低遅延かつ高セキュリティな通信を実現するなど、5G evolution & 6G 時代におけるユースケース創出に向け、さまざまな分野における実証実験に取り組んでまいります。
なお、ドコモの技術と「リアルハプティクス」を組み合わせる取り組みは、2023 年 2 月 2 日(木)からドコモがオンライン上で開催する「docomo Open Houseʼ23」にてご紹介します。 (https://www.docomo.ne.jp/corporate/technology/rd/openhouse/openhouse2023/)
※1 慶應義塾大学ハプティクス研究センターの大西公平特任教授が発明した現実の物体や周辺環境との接触情報を双方向で伝送し、ヒトの力加減をロボット上で再現する技術。
※2 5G evolution の実現に必要な要件の一つで、超高信頼かつ低遅延な無線通信を実現する技術。
※3 遠隔操作ロボットを通じて手元側の操縦装置で得られる手応えの再現度。モノを直接つかむ手応えを 100%とする。
※4 日本初。2023 年 1 月 16 日時点、ドコモ調べ。
※5 今回の実証実験では、3GPP標準化仕様に基づくURLLC要件を満たしているエリクソン(Telefonaktiebolaget LM Ericsson)社製の実証実験用テストベッド装置を用いて実施しています。
※6 高度化された 5G システム。現在リリース済みの 5G と 6G 間の位置づけ。
本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
株式会社 NTT ドコモ 6G-IOWN 推進部 方式担当
【配信に関する問い合わせ】慶應義塾 広報室(担当︓宮崎)
【研究内容に関する問い合わせ】慶應義塾大学ハプティクス研究センター担当