2022-08-10 京都大学
平田聡 野生動物研究センター教授、松本卓也 信州大学助教、奥村成皓 株式会社マリ研究開発本部長は、ミリ波レーダを用いて立っている状態の飼育ウマの呼吸数を、接触せずに測定することに成功しました。ミリ波レーダ技術を用いたバイタル情報(呼吸数・心拍数)の非接触測定は、ヒトでは実用化が進んでいますが、ふらつきの影響が大きい立っている状態の動物を対象にした研究はありませんでした。今回、飼育ウマの呼吸数を、ミリ波レーダを用いて非接触で測定したところ、同時測定した赤外線サーモグラフィによる測定値とおおよそ一致し、非接触でもミリ波レーダ技術を用いれば十分に呼吸数を測定できることがわかりました。畜産業では、飼養動物の日々の健康管理が欠かせませんが、一方で人獣共通感染症対策として接触頻度を減らすことも必要です。本研究で明らかになったミリ波レーダを用いた非接触の呼吸数測定技術が、今後畜産業等の飼育動物を保有する業界にて実用化されることが期待されます。
本研究成果は、2022年8月9日に、日本獣医学会の学術誌「The Journal of Veterinary Medical Science」に発表されました。
図:飼育ウマの呼吸数測定実験の様子。矢印が、ミリ波レーダを送受信する測定器
研究者情報
研究者名:平田 聡