2022-08-01 愛媛大学
愛媛大学社会共創学部小長谷圭志助教の研究グループは、京都府農林水産技術センター竹本哲行主任研究員、京都大学農学研究科近藤直教授と共同で京都府のブランド野菜である万願寺甘とう(甘長トウガラシの一つ)のスマート農業技術につながる現象を見出しました。作物の夏季栽培では、強光から作物を守るために遮光技術が用いられていますが、作物の成長に伴い変化する栽培施設内の明るさのむらを把握するのは容易ではありません。
本研究では、京都府において日射強度の異なる条件で栽培された甘長トウガラシについて、収穫後の甘長トウガラシの蛍光を調べました。その結果、日射強度が強い条件においてのみ、青色の蛍光強度が低い果実が出現し、蛍光強度の平均値も低下することが明らかとなりました。この青色の現象は他のトウガラシ類でも見られること、また技術自体は現在普及している共同選果施設を活用できることから、既存の画像データに新たな解釈を加えることで出荷団体の営農指導、生産者の営農情報として活用できることが期待できます。
なお、本研究成果は、2022年7月28日に学術雑誌Photochemical & Photobiological Sciencesに掲載されました。
掲載誌
Photochemical & Photobiological Sciences
題名
Response of sweet pepper autofluorescence against solar radiation
(日本語訳:甘長トウガラシの(収穫後の)自家蛍光の(収穫前の)日射に対する違い)
DOI
10.1007/s43630-022-00276-2
(https://doi.org/10.1007/s43630-022-00276-2)
著者
竹本哲行(京都府農林水産技術センター、京都大学)
小長谷圭志(愛媛大学)
倉本誠(愛媛大学)
福垣内暁(愛媛大学)
近藤直(京都大学)
責任著者
小長谷圭志(愛媛大学社会共創学部)
本件に関する問い合わせ先
愛媛大学社会共創学部
担当者名 小長谷 圭志