磁性ワイル半金属の表面に潜む金属伝導を初検出 ~表面伝導を活用した新型素子開発に前進~

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2021-06-03 東北大学 金属材料研究所,科学技術振興機構

ポイント
  • CoSn薄膜の磁性ワイル半金属状態における金属的表面伝導を実証しました。
  • 汎用的かつ信頼性の高い膜厚制御に基づく表面伝導評価を確立しました。
  • 表面伝導を用いた新型素子原理の検証につながる本成果は素子化研究へのブレークスルーとなります。

トポロジカル物質群と呼ばれる特殊な物質の一種である磁性ワイル半金属については、強磁性であると同時に、トポロジカルな電子構造に由来するさまざまな興味深い物性の発現が提唱されています。磁性ワイル半金属の試料表面には、特異な電子構造に起因する表面状態が生じています。そのため、表面状態の特性は試料厚みに依存せず、優れた電気伝導を示すことが期待されています。しかし、表面状態と試料内部の伝導成分をそれぞれ分けて評価することは困難でした。

東北大学 金属材料研究所の池田 絢哉 大学院生(研究当時、理学研究科 物理学専攻)、藤原 宏平 准教授、塩貝 純一 助教、関 剛斎 准教授、野村 健太郎 准教授、高梨 弘毅 教授、塚﨑 敦 教授らの共同研究グループは、磁性ワイル半金属CoSn薄膜の膜厚を精密に制御することで、磁性ワイル半金属状態における表面伝導の発現を初めて捉えるとともに、その金属的性質を明らかにしました。

この成果は、磁性ワイル半金属の物性解明を大きく前進させるだけでなく、表面伝導を活用した新型素子の開発にも寄与するものと期待されます。

本研究成果は、2021年6月3日(英国時間)に、英国科学誌「Communications Physics」オンライン版に掲載されます。

本研究は、JST 戦略的創造研究推進事業 CREST「トポロジカル機能界面の創出」(研究代表者:塚﨑 敦、課題番号:JPMJCR18T2)、科学研究費補助金(課題番号:20H01830)、東北大学 金属材料研究所 付属新素材共同研究開発センター(課題番号:19G0410)からの支援を受けて実施されました。

詳しい資料は≫

<論文タイトル>
“Two-dimensionality of metallic surface conduction in Co3Sn2S2 thin films”
DOI:10.1038/s42005-021-00627-y
<お問い合わせ先>

<研究に関すること>
藤原 宏平(フジワラ コウヘイ)
東北大学 金属材料研究所 低温物理学研究部門 准教授

塚﨑 敦(ツカザキ アツシ)
東北大学 金属材料研究所 低温物理学研究部門 教授

<JST事業に関すること>
嶋林 ゆう子(シマバヤシ ユウコ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 グリーンイノベーショングループ

<報道担当>
東北大学 金属材料研究所 情報企画室広報班
科学技術振興機構 広報課

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