2030年に海洋生分解性プラスチックの社会実装を目指す
2020-08-31 新エネルギー・産業技術総合開発機構
NEDOは海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業に着手します。本事業では、プラスチックの海洋生分解性を評価する手法や海洋生分解性プラスチックの新素材の開発を行います。これらの技術開発により、2030年までに海洋生分解性プラスチックを利用した製品の社会実装・市場拡大を目指します。
図 事業イメージ
1.概要
プラスチックは、日常生活で幅広く活用されている一方で、海洋中ではほとんど分解されないため海洋汚染が問題視されるようになってきており、海洋プラスチックごみ問題の解決に向けた研究開発や海洋生分解性を有する新素材開発が求められています。また、海洋生分解性プラスチックの開発・普及のために、海洋生分解性の簡便で信頼性の高い評価法の開発も求められています。
このような背景の下、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業に着手します。
「海洋生分解性に係る評価手法の確立」では、海洋生分解性プラスチックが分解されるメカニズムを解明するとともに、海洋生分解性の評価手法を確立します。また、分解途中での水中汚染物質の吸着や樹脂添加剤の溶出など、生態系への安全性の評価手法も開発します。
「海洋生分解性プラスチックに関する新技術・新素材の開発」では、新規化学構造をもつ樹脂などの新素材や新規バイオ製造プロセス、複合化技術などの新技術などによる海洋生分解性プラスチックの開発を行います。
これらの技術開発により、海洋生分解性プラスチックを利用した製品を社会実装・市場拡大し、2030年には新たな海洋生分解性プラスチックの国内市場20万t/年を目指します。
2.事業の内容
(1)事業名
海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業
(2)実施期間
2020年度~2024年度(予定)
(3)事業予算
2020年度3.45億円
(4)採択テーマ名および実施予定先一覧
研究開発に着手する採択テーマ名は以下の2件です。
研究開発項目 | 採択テーマ名 | 実施予定先 |
「海洋生分解性に係る評価手法の確立」
(委託事業) |
海洋生分解性に係る評価手法の確立 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所
独立行政法人製品評価技術基盤機構 静岡県環境衛生科学研究所 国立大学法人東京大学 国立大学法人愛媛大学 株式会社島津テクノリサーチ |
「海洋生分解性プラスチックに関する新技術・新素材の開発」
(委託・助成事業) |
複合化技術等による海洋生分解性プラスチックに関する新技術・新素材の開発 | 日清紡ホールディングス株式会社 |
3.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO 材料・ナノテクノロジー部 バイオエコノミー推進室 担当:沖、柳川、原田、高槻
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部 担当:佐藤、鈴木(美)、坂本