ケーブルを操作するロボット (Letting robots manipulate cables)

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2020/7/13 マサチューセッツ工科大学(MIT)
The system uses a pair of soft robotic grippers with high-resolution tactile sensors to successfully manipulate freely moving cables.
・ MIT コンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)を中心とする研究チームが、柔らかくフレキシブルなオブジェクトを自由に操作する、高解像度の触覚センサーを搭載した一対のソフトロボッティックグリッパーによる新システムを開発。
・ ケーブルの操作や布の折り畳み等、柔らかくフレキシブルなオブジェクトをロボットが操作するには、従来ではロボットフィンガーによるそれらの位置と動きの常時センシングや、機械的装置等が必要。
・ 2本指のグリッパーは軽量で動きが速く、力と位置をリアルタイムに調整。それらの指の先端には、カメラを埋め込んだ柔らかなゴム製のビジョンベースの「GelSight」センサーを搭載。同グリッパーは、制御システムの一部として作動するロボットアームに取付けられる。
・ ケーブル操作を可能とするため、知覚・制御フレームワークを開発した。知覚としてGelSightセンサーの情報から指の中でのケーブルの方向を推定し、摩擦力を測定。2つのコントローラーが把持の強さと把持の方向やケーブルを把持し続ける姿勢を並行して制御する。
・ ロボットアームに取付けられたグリッパーは、USBケーブルをランダムな把持位置から正確にたどることができた。また、2つ目のグリッパーと共に同ケーブルをたどり、その終点を認識。異なる材料や太さのケーブルにも対応した。
・ さらに、携帯電話にイヤホンを差し込む作業も実証。イヤホンのケーブルを指の間でスライドさせ、プラグに触れると停止してその姿勢を調整し、ジャックに差し込んだ。
・ これらのようなケーブル操作では、スムーズなスライディングを可能にする「把持力」と、グリッパーの指からのケーブル落下を回避する「把持姿勢」の制御が重要となる。
・ 従来の視覚システムでは視野に死角が生じたり、システムコストが高く処理結果が不正確な場合もあるなどの課題がある。操作中での計測も困難。視覚では把持力や把持姿勢は検出できず、触覚センサーを適用した。また、様々な物理特性(材料、硬度、寸法)を有する多種類のケーブルにアルゴリズムを一般化できる。
・ GelSight センサーの凸面のため、グリッパーの指の端に到達したケーブルを引き戻すことが困難なことを確認。全体の性能向上に向け、センサー形状の改善を図る。今後は、ケーブル配線や障害物にケーブルを通す等のより複雑なケーブル操作について研究を進め、自動車産業でのケーブルの自律的操作の可能性を調査する。
・ 本研究は、Amazon Research Awards、Toyota Research Institute および米国海軍研究局(ONR)が支援した。
URL: http://news.mit.edu/2020/letting-robots-manipulate-cables-0713

<NEDO海外技術情報より>

(関連情報)

Robotics: Science and Systems 2020 発表論文(フルテキスト)
Cable Manipulation with a Tactile-Reactive Gripper
URL: http://www.roboticsproceedings.org/rss16/p029.pdf

詳しくは≫

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