白金族ハイエントロピー合金ナノ触媒の合成に成功

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「One for all, all for one」の6銃士触媒が高難度反応を達成

2020-07-22 京都大学

 北川宏 理学研究科教授、草田康平 同特定助教、Dongshuang Wu 同特定研究員らの研究グループは、白金族元素(Platinum Group Metals: PGMs)である6元素(白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os))を全て原子レベルで均一に混ぜ合わせたハイエントロピー合金(HEA)ナノ粒子(PGM-HEA)の合成に成功しました。

 さらに、PGM-HEAナノ粒子はエタノール酸化反応電極触媒として、既報の触媒と比較して記録的に高い活性を示すだけでなく、従来の単純な金属触媒では達成できなかった12電子完全酸化反応が進行していることを明らかにしました。

 この反応は多様な反応中間体が存在し、12個の電子とプロトンが関与する極めて複雑な反応ですが、PGM-HEAは各構成元素それぞれが特異な素反応に対して高活性を示す白金族であり、かつそれらが原子レベルで混合することで粒子表面に多彩な吸着サイトを有するため、複雑な反応の各素反応を協奏的に促進させたものと考えられます。この結果は、従来の金属触媒では達成できなかったその他の高難度反応に対しても、ハイエントロピー合金触媒が高活性をもつ可能性を示しています。

 本研究成果は、2020年7月中に、国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に掲載される予定です。

図:本研究のイメージ図

詳しい研究内容≫

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