集積化可能な量子もつれ光源を実現~量子センシング、量子通信装置の飛躍的な小型化が期待~

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2020-06-10 京都大学

竹内繁樹 工学研究科教授、岡本亮 同准教授、杉浦健太 同博士課程学生、殷政浩 同修士課程学生(研究当時)らの研究グループは、香港城市大学、南京大学、中国科学院らと共同で、光子が、さまざまな波長(色)の対となった「量子もつれ」状態を、集積化可能な「半導体チップ」として、光通信で最も良くもちいられる波長域において、同種の素子において世界最大の波長域とモード数で実現することに成功しました。

電子や光子などの量子は、通常の物体とは異なった振るまいをします。その量子の個々の振るまいや相関(量子もつれ)を制御することで、飛躍的な計算能力を実現する量子コンピューターや、盗聴不可能な暗号を実現する量子暗号、さらに、従来の計測技術の限界を超える量子センシングなど、「量子技術」の研究が精力的に進められています。その中でも、光子は、長距離伝送が可能で、また室温でも量子状態が保存されるため、有力な担体です。

今回実現した光源は、光量子コンピューターや、量子暗号の高度化、また光量子センシングなどの集積化(チップ化)にブレークスルーをもたらすものです。

本研究成果は、2020年6月4日に、国際学術誌「Applied Physics Letters」のオンライン版に掲載されました。

図:集積可能な半導体素子量子もつれ光源のイメージ図

書誌情報
  • 日刊工業新聞(6月9日 23面)に掲載されました。

詳しい研究内容≫

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0403電子応用
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