2020-04-09 海上保安庁
●令和2年4月、海上保安庁では約4年ぶりに「排出油等防除計画」の見直しを行いました。 ●この「排出油等防除計画」は、「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」に基づき、日本の海域を16海域(補足図参照)に分割、海域ごとに油が大量に排出された場合の防除等に関する計画として作成するものです。
●今回、油防除資材が不足している海域に、「動員シミュレーション※」という考え方をはじめて取り入れ、より迅速な油防除活動の体制が整いました。
※『動員シミュレーション』とは・・・ 油防除資材不足を想定し、隣接海域から油防除資材の動員をあらかじめ決めておくこと。
<概要>
近年、国内の製油施設の廃止にともなう油防除資材の不足やロシアの石油・天然ガス開発計画であるサハリンⅡプロジェクトの原油生産量増加、タンカーの運航ルート等に変更があり、海上保安庁では、これらの変化に対応するため、学識経験者や関係団体等で構成する検討会を開催し、官・民・地域が一丸となって効率的・効果的な防除活動が実施できるよう調整を重ね、排出油等防除計画の修正に至ったものです。
<見直し内容>
1 排出油等防除計画が作成されている全16海域に「動員シミュレーション」を作成し、迅速
な油防除資材の調達が行える体制を整えました。
2 油防除資材の特性や運用海域を考慮して、沿岸と沖合用の油防除資材に分類することにより、各海域の油防除資材の整備数量を適正に評価できるようにしました。
3 サハリンⅡプロジェクトの原油生産量増加に伴い、事故における想定排出油量が3倍以上に増加したため、動員勢力に国土交通省所属の大型浚渫し ゅ ん せ つ兼油回収船等を追加しました。
4 タンカーの運航ルートの変更に伴い、事故想定の修正を行いました。
<参考>
排出油等防除計画は、海上保安庁のホームページに掲載しております。 http://www.kaiho.mlit.go.jp/seisaku/keikyu/kankyou/info.html