超高感度バイオセンサー実現への最初の一歩となるグラフェンベースの新デバイス

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2019/3/7 アメリカ合衆国・ミネソタ大学

(New graphene-based device is first step toward ultrasensitive biosensors)

graphene

・ ミネソタ大学が、ほぼ完ぺきな効率性で分子レベルでの疾病診断を可能にするグラフェンを使用した超高感度バイオセンサー開発の契機を提供する、グラフェン・プラズモン共鳴デバイスを開発。

・ タンパク質の構造を精査する超高感度バイオセンサーにより、アルツハイマーや慢性消耗病等のタンパク質のミスフォールディングに由来した、人間や動物の疾病の正確な診断が可能になる。このようなセンサーはまた、新薬品の開発技術にも有用。

・ 超微量のタンパク質分子の構造の検出・理解には技術的な課題が多くあるが、今回開発したグラフェンを使用したデバイスと、その特殊な製造プロセスが、これらの課題の解決に貢献できることを期待する。

・ グラフェンを使用したバイオセンサー開発では、グラフェンの単一原子の薄さによって効率的な光との相互作用が得られないことが課題となっている。光の吸収と局所電界への光の変換は疾病診断の際の微量分子の検出において不可欠。今回と同様なグラフェンナノ構造を利用した過去の研究では、10%を下回る光吸収率を実証したのみ。

・ 同新デバイスはグラフェンと金ナノリボンを組合わせたもの。接着テープの使用と同大学が開発したハイテクなナノファブリケーション技術の「テンプレート・ストリッピング」により、グラフェンを配置する超平坦な金ナノリボンのベース層を作製した。

・ このような単一原子の薄さのグラフェンデバイスに光を照射することで、局所電界の光吸収率が 94% という前例の無い高効率性でのプラズモンの波の発生を確認。グラフェンと金ナノリボンの間に挿入したタンパク質分子の単一層を観察するのに充分なエネルギーを獲得した。

・ 本研究には主に米国科学財団(NSF)が資金を提供。また、ミネソタ大学の Institute for Mathematics and its Applications (IMA)が追加的支援を提供した。

URL: https://twin-cities.umn.edu/news-events/research-brief-new-graphene-based-device-firststep-toward-ultrasensitive-biosensors

関連情報

Nature Nanotechnology 掲載論文(アブストラクトのみ:全文は有料)

Graphene acoustic plasmon resonator for ultrasensitive infrared spectroscopy

URL: https://www.nature.com/articles/s41565-019-0363-8

<NEDO海外技術情報より>

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