2018-07-14 文部科学省
「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合(第5回) 議事要旨
1.日時
平成30年4月20日(金曜日)13時30分~16時00分
2.場所
文部科学省 18階 研究開発局会議室1
3.議題
- もんじゅの廃止措置に係るリスクマネジメントについて
- その他
4.出席者
委員
佐藤座長 井上委員 橘川委員 来馬委員 野口委員 樋口委員 山口委員
文部科学省
増子大臣官房審議官 明野もんじゅ廃止措置対策監 奥野研究開発戦略官(新型炉・原子力人材育成担当) 井出廃炉技術開発企画官 日本原子力研究開発機構 伊藤理事 安部高速増殖原型炉もんじゅ所長 荒井敦賀廃止措置実証本部副本部長 出野廃止措置推進室長代理
5.議事要旨
原子力機構から「もんじゅ」の廃止措置に係るリスクマネジメントついて説明を受け、委員より意見をいただいた。主な意見は下記のとおり。
<リスクマネジメントについて>
- リスクマネジメントは全体のマネジメントの一部であり、リスクマネジメントでの意思決定はマネジメントの判断を支援するもの。その意思決定を行うためには、洗い出したリスクを評価するプロセスが必要。また、その際にリスクマネジメントの手本を単に形式的に取り込んだだけでは上手くはいかない。原子力機構として解釈をしてマネジメントの中に落とし込むことが必要。
- ヒューマンエラーは避けられない。事故・トラブルは突き詰めていくと全てがヒューマンエラーとも考えられる。また、ヒューマンエラーによって何が起こるかということがリスク。そのヒューマンエラーが重大なインシデントや事業の阻害につながらないということが大事。何を防ぎたいのか、何が目的であり、手段であるのかを明確にすること。
- 廃止措置のリスクマネジメントは、現場だけで簡単にジャッジすべきでない課題があるというのが特徴。どのような場合に誰が判断するかが重要であり、また、意思決定する物事の複雑さ、不確かさが大きくなるにつれステークホルダーの範囲も広がる。
- 資料1の5ページにコミュニケーションの記載があるが、直接的な対話に留まらず、会議等での決定事項や日々の行動の中から職員、経営層双方が色々なことを感じるようなコミュニケーションを心掛けて欲しい。
- 実際に作業を進めるのは現場の作業チームであり、他の上位の人たちはそれをサポートする役割だと思う。例えば、マネジメントのトップの方でリスクを引き起こす要因の原因を除去する等の施策を打ち出し、具体的に作業員の負荷を下げてやることが重要。
- まず、今かかわっていて、しっかり5年をやりきる人を中心においてほしい。間違いなくスタートして、しっかり5年でゴールしてほしいので、新しい組織と、それを動かしていく人材について、十分配慮してほしい。
- もんじゅのような先端科学技術システムでは、マネジメントや保守・運営のやり方も研究開発の要素を有している。ヒューマンエラーを少なくする工夫がマネジメントシステム。規則の強化のみでは安全担保できず、今までと違ったアプローチが必要であり、それがマネジメントの研究開発である。
<業務計画の考え方について>
- 資料1の11ページ、12ページの記載にあるように、工程優先ではなく安全優先を表明されているが、それと同時に、ある期間で事業を完了させるということも重要なミッション。可能な限り両方を追及されていくものと思うが、それが難しくなった場合に安全を優先するという基本的な考え方が全体工程の中に出てこないといけない。
- 資料1の18ページの記載にあるように、フローダイアグラムにある作業停止判断などについては、専門的に熟知した人の意見を取り入れ、どのような時にどのような行動をとるかということを予め整理するとともに、現場の責任者の責任範囲、上位者の責任範囲を明記する必要がある。
<まとめ>
- かなりまとまったものが出てきている。委員会としていろいろ意見を述べたが、適宜それを参考にして取り入れて、更にブラッシュアップして形にして欲しい。それを基にしっかり現場と意思疎通を行い、上から下まで共通理解を形成すること、また、目的は何かということを考えて硬直的にならないよう進めることが重要。
以上
お問合せ先
研究開発局 研究開発戦略官(新型炉・原子力人材育成担当)付
(研究開発局 研究開発戦略官(新型炉・原子力人材育成担当)付)