気液界面における低合金鋼の腐食加速現象~鉄錆層の構造解析から腐食加速機構を解明する~

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『原子力機構の研究開発成果2020-21』P.49

図4-6 回転型腐食試験による気液界面環境を模擬した腐食試験
水面の位置を調整して低合金鋼を回転させることで、水中と気中に交互に暴露する環境や常時溶液にある環境を模擬できます。

図4-7 気液界面模擬環境における腐食加速
気液界面を模擬した環境では常時溶液環境と比較して腐食速度が 4 倍以上になり、腐食が加速していることが分かります。

図4-8 腐食試験後試料の断面顕微鏡写真(a)常時溶液環境、(b)気液界面模擬環境及び(c)気液界面模擬環境における腐食加速機構
気液界面模擬環境では複雑な形状の鉄錆層が形成されることで常に酸素還元反応面が液膜に近くなり、低合金鋼の腐食が加速したと考えられます。

 


東京電力福島第一原子力発電所(1F)1 ~ 3 号機には冷却水が循環注入されており、原子炉の内部調査から低合金鋼(合金元素を約 10% 以下の割合で添加した鋼)は気液界面環境(気中と液中の界面に該当する環境)にさらされていることが確認されました。これまでの研究で気液界面では表面張力によって液膜が炭素鋼(炭素を約 0.02 ~ 2% の割合で添加した鋼)上に形成されることにより、酸素還元反応が加速されることで腐食速度が増大すると報告されています。一方、1F 原子炉圧力容器(Reactor Pressure Vessel:RPV)に使用されている組成の低合金鋼の気液界面環境における腐食速度や腐食機構は分かっておらず腐食速度の予測は困難でした。

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