国立天文台
国立天文台の岡本丈典 特任助教と桜井隆 名誉教授は、太陽観測衛星「ひので」の可視光望遠鏡による観測データから、太陽観測史上最大となる6250ガウス(625ミリテスラ)の磁場強度を持つ黒点を発見しました。これは一般的な黒点磁場の2倍の強さであり、さらには強磁場を示す領域が黒点内の暗くない部分(暗部以外)に位置するという特異な性質を持っています。これまでにも暗部以外で局所的に強い磁場が観測されることは時々ありましたが、その成因については全くの謎でした。今回、「ひので」の5日間に渡る安定した連続観測により黒点の発展過程が詳細に捉えられ、その結果、この強磁場は黒点暗部から伸びるガスの流れが別の暗部を強く圧縮することで生じていると結論付けました。この成果は、高い解像能力で長時間安定して磁場測定を行うことのできる「ひので」でなければ成し得ないものです。今後、黒点形成・進化メカニズムや、それに伴うフレアなどの活動現象を理解する上で新たな視点をもたらすと期待されます。
この研究結果は、米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』の2018年1月1日号に掲載されました。(Okamoto and Sakurai, “Super-strong Magnetic Field in Sunspots”)
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