2019/2/27 オーストラリア連邦・ロイヤルメルボルン工科大学 (RMIT)
(Climate rewind: Scientists turn carbon dioxide back into coal)
・ RMIT を始めとする国際研究チームが、CO2 を捕獲して固体炭素粒子に効率的に転換する技術を開発。
・ 同技術は、大気から CO2 を取り込んで安全かつ永続的に貯蔵する新手段として、現在の CO2 回収・貯留(CCS)を代替する持続可能なアプローチと考える。
・ CCS 技術では、主に CO2 を液体に圧縮して貯蔵現場へと輸送するか地下に注入するが、エンジニアリングと経済性における課題や環境への懸念から制限される。
・ CO2 を固体に転換するには極めて高い温度が必要なため、産業的には実現が困難。今回、液体金属を触媒として利用し、室温下においてスケーラブルなプロセスで効率的に CO2 を炭素に転換可能なことを実証。さらに研究を進める必要があるが、本研究は炭素の固体貯蔵方法実現への重要な第一歩と考える。
・ 新設計の液体金属触媒は、その表面を化学的に活性化しながら極めて効率的な導電を促進する特殊な表面特性を備える。CO2 が溶け込んだ、液体電解質と微量の液体金属が入ったビーカーに電流を流すと、CO2 は徐々に固体炭素片へと変化して液体金属の表面から自然に剥がれていく。
・ このような炭素は電荷を保持できるため、電極として産業利用も可能。また、同プロセスの副生物として合成燃料も得られる。
・ 本研究チームには、ミュンスター大学(ドイツ)、 南京航空航天大学(中国)、ノースカロライナ州立大学(米国)およびニューサウスウェールズ大学、ウーロンゴン大学、モナシュ大学、クイーンズランド工科大学(オーストラリア)の研究員が含まれる。
・ Australian Research Council Centre for Future Low-Energy Electronics Technologies (FLEET)と ARC Centre of Excellence for Electromaterials Science (ACES)が本研究を支援した。 URL: https://www.rmit.edu.au/news/all-news/2019/feb/carbon-dioxide-coal (関連情報) Nature Communications 掲載論文(フルテキスト) Room temperature CO2 reduction to solid carbon species on liquid metals featuring atomically thin ceria interfaces URL: https://www.nature.com/articles/s41467-019-08824-8
<NEDO海外技術情報より>