2019-04-11 国立極地研究所
ブリザード中の移動
すぐ近くの建物も見えにくく、緊張する時間
南極といえば何をイメージするでしょうか。オーロラ、ペンギン、そしてブリザード。昭和基地ではたびたび周りが見えなくなるような猛ふぶきが襲い掛かり、時には何日も外に出ることができない状態が続きます。昭和基地ではある基準の風速、視界の悪さ、継続時間を超えた猛ふぶきをブリザードと呼び、強い順にA級、B級、C級と3段階で記録しています。60次隊の越冬が始まってからも何度かブリザードが襲来し、4月11日から12日にかけても12時間以上猛ふぶきが続きB級ブリザードとなりました。
ブリザードのように風が強く視界が悪い状態になると屋外の活動は危険となるため、隊長が“外出注意令”を発令します。外出注意令が出ると基地全体に放送されると共に隊員全員の所在確認が行われ、各隊員は基地内のどこにいるかをすぐに報告する必要があります。基本的に外出は控えることになりますが、業務の都合で他の建物へ移動が必要な場合は、
・建物間に張られた命綱に、自分の体をロープで繋ぎながら移動する
・複数名で移動する
・移動開始前、完了後は無線で報告する
の3点を必ず守り、安全に最大限配慮しています。また、外出注意令の状態からさらに天候が悪化すると全ての外出が禁止となる“外出禁止令”が発令されます。
ブリザードは極寒の猛ふぶきというイメージがありますが、海からの暖かく湿った空気が流れ込んでくるため、気温は普段よりも高くなります。そして、地球の南端にある南極では、海からの風は北風。暖かく湿った風といえば南風となる日本とは逆さまな所に、地球の逆側にいることを実感することができます。
2019年4月11日の気象情報
天気 | 日の出 | 日の入 | 最高気温 | 最低気温 | 最大風速 |
ふぶき | 7:40 | 17:04 | -4.3℃ | -7.2℃ | 23.2m/s |