2026-07-30 運輸安全委員会
令和6年5月13日、匠航空のロビンソン式R44Ⅱ型ヘリコプター(JA718W)は、熊本カドリードミニオン場外離着陸場と阿蘇中岳火口間の遊覧飛行中、ローターおよびエンジン回転数が低下したため阿蘇市内の空き地への不時着を試みた。しかし、ローター回転数が急激に低下したことで降下率を十分に減速できず、ハードランディングとなった。搭乗していた機長と乗客2名は重傷を負い、機体は大破したが火災は発生しなかった。事故原因は、飛行中にエンジンが予期せず停止したことであり、その要因はNo.4コンロッドの破損と推定された。さらに、No.4コンロッドのスモールエンドに圧入されたブッシングの外径が適切に加工されておらず、接触面積不足により運用中にブッシングが移動し、疲労破壊が発生したことがエンジン停止につながったと結論付けられた。本事故は、製造品質管理の重要性と航空エンジン部品の信頼性確保の必要性を示す事例となった。
 匠航空ロビンソンR44Ⅱ(回転翼航空機)の事故[ハードランディングによる搭乗者の負傷](熊本県阿蘇市、令和6年5月13日発生)](https://tiisys.com/wp-content/uploads/2026/07/スクリーンショット-2026-07-30-143157-500x612.png)
<関連情報>
- https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=2386
- https://jtsb.mlit.go.jp/aircraft/rep-acci/AA2026-6-1-JA718W.pdf
概要
匠航空株式会社所属ロビンソン式R44Ⅱ型JA718Wは、令和6年5月13日(月)、遊覧のため、熊本カドリードミニオン場外離着陸場から阿蘇中岳火口までを往復する飛行中、ローター及びエンジンの回転数が低下したため阿蘇市内の空き地に不時着を試みた際、ハードランディングした。
同機には、機長ほか乗客2名の計3名が搭乗しており、3名とも重傷を負った。
同機は大破したが、火災は発生しなかった。
原因
本事故は、同機が飛行中、予期せずエンジンが停止したため近傍の空き地への不時着を試みたが、ローター回転数が急激に低下していたことから接地時の降下率を十分に減少させることができず、大きな荷重を伴ってハードランディングし、機長及び乗客2名が負傷したものと考えられる。
同エンジンが予期せず停止したことについては、No.4コンロッドが破壊したことによるものと推
定される。
No.4コンロッドが破壊したことについては、No.4スモールエンド内に圧入されていたブッシ
ングの外径が正しく加工されておらず、ブッシングの外径とスモールエンドの内径との接触面積が減少していたため、運用中にブッシングが移動し、同スモールエンドに疲労破壊が生じたことによるものと推定される。

 独立行政法人航空大学校ホーカー・ビーチクラフトG58の事故[鳥衝突による機体損傷](仙台空港付近、令和7年3月12日発生)](https://tiisys.com/wp-content/uploads/2026/07/スクリーンショット-2026-07-30-143508-500x277.png)