2023-05-31 東京農工大学,科学技術振興機構
東京農工大学 大学院の佐藤 建都 氏(2022年3月修士課程修了)、鈴木 健仁 准教授(工学研究院)は、0.3テラヘルツ(波長:1ミリメートル)で動作する、無偏光・超高屈折率・低反射率の新材料(メタサーフェス)を開発しました。本研究グループが独自に生み出した、一方向のみの偏光に対して超高屈折率・低反射率となる人工構造材料の特許技術(日本特許6596748号、米国特許第10686255号、国際公開番号WO/2021/045022、他)を応用し、全方向の偏光に対して10を超える超高屈折率と1パーセントの低反射率を達成しました。本メタサーフェスは、自然界の材料では実現できない超高屈折率かつ低反射率を、シート状の平面構造で実現しています。本研究グループは、6G(Beyond 5G)通信や7G通信などの未来の情報通信社会に向けて、本メタサーフェスを用いたテラヘルツ波帯の周波数の電磁波を操るメタレンズアンテナと光源の融合に向けた研究を進めています。さらに、本メタサーフェスを赤外域まで高周波化し、熱の放射を制御するサーマルマネジメントへの応用にも取り組んでいます。
本研究成果は、ドイツ科学誌「De Gruyter Nanophotonics」(IF=7.923)に2023年5月31日に掲載されます。
本研究は、東京農工大学 大学院工学府 電気電子工学専攻の佐藤 建都 氏(2022年3月修士課程修了)、同 大学院工学研究院 先端電気電子部門の鈴木 健仁 准教授により行われました。また、本研究の一部は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業さきがけ「熱輸送のスペクトル学的理解と機能的制御」(研究総括:花村 克悟)における研究課題「極限屈折率材料の深化と熱輻射アクティブ制御デバイスの開拓」(JPMJPR18I5)、日本学術振興会(JSPS) 科学研究費補助金基盤(B)(21H01839)、同 挑戦的研究(萌芽)(21K18712)、東電記念財団、中部電気利用基礎研究振興財団などの支援により行われました。
<プレスリリース資料>
- 本文 PDF(568KB)
<論文タイトル>
- “Polarization-independent isotropic metasurface with high refractive index, low reflectance, and high transmittance in the 0.3-THz band”
- DOI:10.1515/nanoph-2022-0788
<お問い合わせ先>
<研究に関すること>
鈴木 健仁(スズキ タケヒト)
東京農工大学 大学院工学研究院 先端電気電子部門 准教授
<JST事業に関すること>
安藤 裕輔(アンドウ ユウスケ)
科学技術振興機構 戦略研究推進部 グリーンイノベーショングループ
<報道担当>
東京農工大学 総務部 企画課 広報係
科学技術振興機構 広報課